間取りでは表現できない 大空間付1階完結型プラン

間取り紹介
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概要

  • 延べ面積 :99.78㎡(30.18坪)
  • 部屋数  :3LDK
  • 玄関   :東(西)入り
  • 間口(幅):13.65m
  • 奥行(縦):5.46m
  • 収納率  :9.39%

プランポイント

間取り図は、家を真上から水平に切った断面です。だから床の広さは分かっても、天井の高さは描かれません。この30.18坪のプランがおもしろいのは、その「図面に描かれない部分」に一番の見どころがあるところです。奥行5.46mという極端に浅い建物と、その上に載る屋根の形。この2つが組み合わさって、平面図からは想像できない大空間が生まれています。

ポイント①|奥行5.46mという、極端に浅い建物

まず寸法から見ていきます。間口13.65mに対して、奥行はわずか5.46m。3間しかありません。

この浅さがどういう意味を持つかというと、家の中のどこにいても、南か北のどちらかの外壁がすぐそこにあるということです。光の届かない場所が生まれません。

一般的な住宅は奥行が7〜9mあるので、必ず中央部が暗くなります。そこを吹抜けや天窓で補うわけですが、このプランはそもそも暗い場所をつくらない形から始めています。土地が横に広く、奥行が取れない場合に有効な考え方ですね。

ポイント②|LDK19帖の上に、大きな吹抜けを載せる

1階の中央から南にかけてLDK19帖。その上、2階の東側が大きく吹抜けになっています。シーリングファンも描かれていますね。

奥行5.46mの建物なので、屋根をかけると自然に片流れや大きな勾配になります。その形をそのまま室内に取り込むと、天井の一番高いところと低いところで、かなりの高低差が出ます。

平面図では「19帖のLDK」としか書けません。でも実際には、天井が斜めに上がっていって、その上に2階のホールが顔を出している。同じ19帖でも、体感する広さがまるで違うんですよね。「間取りでは表現できない」というのは、そういう意味です。

ポイント③|1階に主寝室と水回りを収めて、生活を完結させる

1階の西端に主寝室6帖。北側に浴室2帖、脱衣室2.5帖、洗面所、トイレ。そしてファミリークローク3.5帖。

つまり、寝る・食べる・入浴する・洗濯する、が全部1階で完結します。2階に上がらなくても暮らしが回る形ですね。

ファミリークローク3.5帖の位置も効いていて、脱衣室と洗面所の東隣。洗って、干して、数歩でしまう。そのまま玄関ホールにも近いので、朝出かける前にここで身支度を整えることもできます。

ポイント④|玄関を東端に寄せて、生活空間を分ける

玄関は建物の東端。シューズクローク1帖とホールを経て、西へ進むとLDK、北へ折れると水回りです。

奥行の浅い家は、どうしても横一列の並びになります。そこで玄関を端に置くことで、来客が生活空間に入り込まずに済む形をつくっています。

そして階段も玄関ホールのすぐ西、LDKに面した位置。2階から降りてきた家族が必ずLDKを通るので、顔を合わせる機会が自然に生まれます。

ポイント⑤|2階は洋室2つとホールだけ。あとは吹抜けに差し出す

2階は洋室4.6帖が2つと、ホール、トイレ。東側の広い部分は、まるごと吹抜けです。

床にすれば部屋がもう一つ取れる面積を、あえて空間に使っています。この判断が、この家の性格を決めているんですよね。

2階のホールは吹抜けに面していて、手すり越しに1階のLDKが見下ろせます。子どもが2階にいても声が届く。1階完結型でありながら、2階との距離は近い。この二つを両立させているのが、この吹抜けです。

ポイント⑥|南面いっぱいのウッドデッキで、浅さを外へ逃がす

南側には、建物の幅いっぱいに近いウッドデッキ。LDKの掃き出し窓から、そのまま外へ出られます。

奥行5.46mの建物は、室内だけで見ると確かに浅い。でも南に床が続いていれば、視線も体も外へ抜けていきます。デッキの端にはシンボルツリーが植えられていて、視線の行き止まりに緑が置かれている。

浅い建物は、外部とつなげてこそ本領を発揮します。この南面の使い方は、そのお手本のような形ですね。

検討するなら、ここは確認を

  • 収納率9.39%:この数字は、床面積を吹抜けに差し出した結果でもあります。1階のファミリークローク3.5帖とシューズクローク1帖が収納の柱で、2階には共用の物入れがありません。ふとん、季節家電、スーツケースをどこに置くか、間取りが固まる前に名指しで決めておきたいところです。
  • 吹抜けを採用するなら性能とセットで:天井の高い大空間は、暖房の効きに直結します。断熱等級6以上と気密性能の数値を確認し、シーリングファンだけに頼らない計画にしておくと安心です。奥行が浅いぶん外壁の面積比率が高い形でもあるので、なおさら効いてきます。
  • 間口13.65mの敷地:この寸法が入る土地かどうかが、そもそもの前提になります。両側の離れと駐車スペースを含めると、間口17m前後は見ておきたいところ。奥行は浅くていいので、横長の土地なら相性は抜群です。
  • 屋根の形が室内を決める:この大空間は屋根形状ありきです。逆に言えば、施工会社によって「できます・できません」が分かれる部分でもあります。断面図を描いてもらって、天井の一番高いところが何メートルになるかを数字で確認しておきましょう。
  • 2階の洋室4.6帖×2:クローゼット込みでこの広さなので、机とベッドでほぼ埋まります。お子さんが2人という前提のプランですね。3人目を想定するなら、吹抜けの一部を床にできるか相談を。

こんなご家族に向いています

  • 間口が広く、奥行の浅い土地をお持ちの方
  • 天井の高い大空間に憧れがある方
  • 将来は1階だけで暮らせる家にしたい方
  • お子さんが2人という前提で計画できる方
  • 家じゅう明るい家にしたい方

まとめ|家の良し悪しは、平面図だけでは分からない

間取り図を並べて比較検討するのは、家づくりの基本です。でも図面に描かれているのは、床の話だけなんですよね。天井の高さ、屋根の勾配、窓から見える景色。住んでからの気持ちよさを決める要素の多くは、平面図の外側にあります。

このプランは奥行5.46mという、平面だけ見れば決して恵まれていない形をしています。でもその制約が屋根の形を決め、屋根の形が大空間を生んだ。制約から始まって、結果として個性になっている好例です。

図面を見せてもらうときは、ぜひ「断面はどうなっていますか」と聞いてみてください。同じ間取りでも、まったく違う家が見えてきますー。

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家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。

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