狭小地の日当たり解消法 優先順位を考えて唯一無二の家づくりプラン

間取り紹介

概要

  • 延べ面積 :113.44㎡(34.31坪)
  • 部屋数  :3LDK
  • 玄関   :南入り
  • 間口(幅):8.19m
  • 奥行(縦):7.28m
  • 収納率  :10.57%

プランポイント

狭小地でいちばん困るのは、面積よりも日当たりです。両隣に家が建っていれば、1階の窓からはほとんど光が入らない。この間口8.19m×奥行7.28mのプランは、その問題に対して思い切った答えを出しました。リビングもキッチンも浴室も、生活の中心をまるごと2階に上げてしまう。1階には寝室だけを置く。優先順位をはっきり決めた家です。

ポイント①|LDK18帖を2階に上げて、光を確保する

2階の南から東にかけてが、18帖のLDKです。1階ではなく2階。ここがこのプランの核心ですね。

狭小地では、南に家が建っているだけで1階の日照はほぼ失われます。でも2階なら、隣家の屋根より上に窓を出せる。同じ土地、同じ窓でも、高さが1層違うだけで入ってくる光の量がまったく変わります。

南側にはバルコニーも設けられていて、そこから光を取り込む形。洗濯物を干す場所としても機能します。1階に干しても乾かない土地では、この配置は現実的な解決策です。

ポイント②|水回りも2階へ。生活を上でまとめる

2階の北側に、浴室2帖、脱衣室3帖、トイレ。キッチンの脇にはパントリーもあります。

LDKだけを2階に上げると、洗濯のたびに1階と2階を往復することになります。それでは意味がないので、水回りごと持ち上げました。

洗って、干して、しまう。料理して、食べて、片付ける。入浴する。日中の生活はすべて2階で完結します。階段を使うのは、寝るときと出かけるときだけ。これはこれで、ひとつの完結した暮らし方ですね。

ポイント③|1階には個室3つ。寝るための階として割り切る

1階は、洋室5.2帖が2つと主寝室7.5帖。そしてファミリークローク3帖、玄関、シューズクローク1.1帖、トイレ。

寝室は日当たりを最優先する部屋ではありません。むしろ夏は涼しく、朝の光が強すぎないほうが眠りやすいという方もいます。だから暗くなりがちな1階を、あえて寝室に割り当てた。

この割り切りが、狭小地の日当たり問題を解いています。全部の部屋を明るくするのは無理。だったら、明るさが必要な部屋だけを上げる。優先順位を決めるというのは、こういうことなんですよね。

ポイント④|ファミリークローク3帖を、1階の個室ゾーンの中央に

1階の中央北寄りに、3帖のファミリークローク。洋室2つに挟まれた位置です。

朝起きて、ここで着替えて、2階へ上がる。夜は2階から降りてきて、ここで部屋着に着替えて寝室へ。1階を「寝る・着替える」ための階として設計しているので、収納もその階に置かれています。

主寝室7.5帖には別にクローゼットが付いていて、こちらは夫婦の衣類用。役割が分かれているので、朝の支度でぶつかりません。

ポイント⑤|畳コーナー3帖を、2階の北東に

2階のLDKの北東に、3帖の畳コーナーがあります。廊下を挟んで水回りとつながる位置ですね。

洗濯物をたたむ場所として、あるいはお子さんの遊び場や昼寝の場所として。脱衣室から数歩なので、乾いた洗濯物を持ってすぐここに座れます。

LDKの一角ではなく、少し離した位置に置いているのがポイントです。リビングの延長にすると来客時に片付けなければなりませんが、廊下側にあれば多少散らかっていても気になりません。

ポイント⑥|階段を家の中央に置いて、上下をつなぐ

階段は1階も2階も、建物のほぼ中央にあります。

8.19m×7.28mという小さな平面では、階段の位置が動線のすべてを決めます。端に置くと、上がった先から各所へ長い廊下が必要になる。中央に置けば、そこから放射状に短い距離で届きます。

しかも中央の階段は、上下の空気を動かす通路にもなります。2階で暖めた空気が1階に降りる、あるいはその逆。上下で生活が分かれている家では、この温度のつながりも意識しておきたい部分です。

検討するなら、ここは確認を

  • 収納率10.57%:気になるのは総量より、生活する階と収納の階が分かれていることです。日中は2階で過ごすのに、衣類とファミリークロークは1階。掃除機や日用品のストックを、どちらの階のどこに置くか。上下2か所に分けて確保できないか、設計段階で相談しておきたいところです。
  • 階段の上り下りが毎日発生する:買い物袋を持って2階へ、ゴミを持って1階へ。これが毎日続きます。若いうちは問題なくても、20年後を想像しておく必要があります。将来1階で生活が完結できるよう、水回りを増設できる余地があるかを聞いておくと安心です。
  • 2階に水回りを置く:階下への漏水対策と、給排水管の音は確認しておきたいポイントです。1階の寝室の真上に浴室や洗濯機が来ていないか、図面を重ねて見ておきましょう。
  • 隣家との距離:間口8.19mの狭小地なので、東西の壁は境界にかなり近くなります。土地が決まった段階で、周囲に何がどう建っているかを実際に見に行くのが一番確実です。将来的に隣に3階建てが建つ可能性もあわせて確認を。
  • 1階の個室の湿気:日が入りにくい階に寝室を置く形なので、通風と換気の計画は重要です。窓の位置だけでなく、24時間換気の経路まで含めて確認しておきたいですね。

こんなご家族に向いています

  • 狭小地・密集地に家を建てる方
  • 日当たりを最優先したい方
  • 寝室は暗くても構わないと割り切れる方
  • 洗濯物を高い位置で干したい方
  • 個室が3つあれば足りるご家族

まとめ|全部は叶わない。だから順番を決める

狭小地の家づくりは、諦めの連続になりがちです。広さも、日当たりも、庭も、駐車場も。全部は入りません。

でもこのプランを見ていると、諦めているのではなく、順番を決めているのだと分かります。日当たりが必要なのはどの部屋か。それを一番いい場所に置いて、残りは条件の悪い場所を受け入れる。その割り切りが、結果として「唯一無二の家」になっています。

土地の条件が厳しいと感じている方は、まず「絶対に譲れないものを3つだけ」挙げてみてください。全部を守ろうとすると、どれも中途半端になりますー。

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家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。

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