

概要
- 延べ面積 :109.30㎡(33.05坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :北入り
- 間口(幅):7.28m
- 奥行(縦):13.195m
- 収納率 :9.57%
プランポイント
家の中でいちばん景色がいい場所を、誰に渡すか。多くの家では、そこは主寝室かリビングになります。この間取りはそうではなく、2階の子ども部屋に渡しました。そのかわり親世帯は1階だけで暮らしが完結するようにしてある。33.05坪・3LDK、間口7.28mの細長い敷地に建つ、役割分担のはっきりしたプランです。
ポイント①|間口7.28m・奥行13.195mという細長さを、素直に使う
まず敷地の形が特徴的です。間口7.28mに対して奥行が13.195m。ほぼ2倍近い縦長で、都市部の分譲地によくある形ですね。
この形に対して無理に部屋を横並びにしようとすると、必ず暗い部屋が出ます。このプランは逆に、縦長を素直に受け入れて、北から順に「主寝室 → 玄関・水回り → 畳コーナー → LDK」と一列に並べました。
南の端にLDKを置いたことで、いちばん日当たりのいい場所が家族の集まる場所になっています。細長い敷地では、どこに何を置くかの順番がそのまま暮らしやすさになるんですよね。
ポイント②|1階に主寝室8.2帖。親は階段を使わない暮らし
北側の端に主寝室8.2帖。その隣にWIC2.5帖。1階の北半分が、まるごと親のためのゾーンになっています。
8.2帖という広さは、ベッドを置いてもデスクを置ける寸法です。図面にも窓際に机が描かれていて、寝るだけの部屋ではなく、こもって作業できる場所として想定されているのが分かります。
そして重要なのは、この主寝室から浴室・洗面脱衣室・トイレ・LDKまで、すべて1階でつながっていること。日常のなかで階段を使う場面がありません。2階建てでありながら、親の生活動線は平屋と同じです。
ポイント③|洗面脱衣室4帖という思い切り
水回りで目を引くのが、4帖の洗面脱衣室です。この規模の家で洗面と脱衣を1室にまとめ、そこに4帖を与えるのはかなり思い切った判断ですね。
分けずに広く取ると何がいいかというと、洗う・干す・たたむ・身支度するが、すべてこの1室の中で完結します。洗濯機の前に立ったまま手を伸ばせば、洗面台にもタオル収納にも届く。細長い家で移動距離が長くなりがちなぶん、1室に機能を集めるのは理にかなっています。
浴室2帖もすぐ隣。北西のこのコーナーだけで、水回りの用事がすべて片付きます。
ポイント④|畳コーナー3帖を、LDKと水回りの間に挟む
LDKの北隣に3帖の畳コーナーがあります。閉じられた和室ではなく、LDKにもホールにも開いた中間的な場所です。
この位置がよく考えられていて、洗濯物を持って洗面脱衣室から出てきたら、すぐここでたためます。お子さんが小さいうちは昼寝の場所、大きくなれば宿題や読書のスペース。用途を決めていないから、そのときどきで使い方が変わります。
3帖という広さも絶妙で、これ以上大きいと「部屋」になって扉を閉めたくなる。開けたまま使える大きさに留めているのがポイントです。
ポイント⑤|18.6帖のLDKと、南のデッキ
南端のLDKは18.6帖。西側にキッチンが縦に配置され、ダイニング、リビングと南に向かって続きます。南面の掃き出し窓の外にはウッドデッキ。
間口7.28mの家なので、LDKの横幅も限られます。それを縦に長く使うことで18.6帖を確保しました。キッチンを壁付けに近い形で西側に寄せているのも、通路を兼ねさせて面積のロスを減らすためですね。
南に開いたデッキが、この狭い間口を外へ逃がしています。窓の外に床が続いていると、実際の帖数以上に広く感じられるんですよね。
ポイント⑥|2階は洋室5.2帖が2つ。家で一番の眺めを子どもに
2階には洋室5.2帖が2つと、ホール、トイレ。それだけです。
この2部屋が、家の中でいちばん高くて、いちばん見晴らしのいい場所にあります。窓を開ければ、1階からは見えない景色が広がる。タイトルの「子供には家一番の景色を」というのは、そういうことですね。
大人の視点で考えると、いい景色は主寝室に取りたくなります。でも子どもが自分の部屋で過ごす時間の長さと、その時期に見る景色が記憶に残ることを考えると、この配分にも十分な理由があります。2階にトイレを設けているので、夜間も1階に降りずに済みます。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率9.57%:数字としてははっきり低めです。特に2階は各室のクローゼットだけで、共用の物入れがありません。1階のWIC2.5帖とSC1帖が家全体の収納の柱になるので、季節家電や来客用布団など「かさばるけれど使用頻度が低いもの」の置き場を、設計段階で名指しで決めておきたいところです。
- 間口7.28mの日当たり:細長い形は、両隣に家が建つと東西からの光が入りにくくなります。中央部の畳コーナーやホールが暗くならないよう、天窓や高窓、吹抜けなどの検討をしておくと安心です。
- 主寝室が北側:1階完結の代償として、主寝室は北向きになります。寝る部屋と割り切れば問題ありませんが、日中もこもって作業したい場合は、東面の窓の取り方を相談したいですね。
- 洗面脱衣室を分けない選択:4帖と広いので不便は少ないはずですが、お子さんが年頃になると、誰かが入浴中に洗面台を使えないのは気になり始めます。ご家族の生活時間が重なるかどうかで判断が変わる部分です。
- 2階に水回りがない負担:トイレはありますが、洗面はありません。2階で過ごす時間が長い設計なので、小さな手洗いカウンターを足せないか検討しておくと、朝の混雑が減ります。
こんなご家族に向いています
- 間口の狭い、縦長の敷地をお持ちの方
- ご夫婦の生活は1階で完結させたい方
- お子さんの部屋を、独立した特別な場所にしてあげたい方
- 洗濯まわりを1か所にまとめたい方
- 将来お子さんが独立したあと、2階を使わずに暮らすことを想定している方
まとめ|同じ家の中でも、優先するものは人によって違う
この間取りのおもしろさは、家族のなかで「いいもの」の配り方をはっきり決めているところです。景色は子どもに、暮らしやすさは親に。どちらも欲張らず、それぞれが本当に必要としているものを渡しています。
間口7.28mという条件は決して恵まれたものではありません。でもその制約があったからこそ、何を優先するかを決めざるを得なかった。結果として、役割のはっきりした住みやすい家になっています。
土地の条件が厳しいと感じている方こそ、「うちは何を優先するのか」を家族で話してみてください。制約は、答えを出すきっかけにもなりますー。
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こんな“間取り迷子”さん、ぜひご相談ください
- 提案されたプランに、どうもピンとこない
- 担当者と感覚が合わず、モヤモヤしている
- 「他の可能性」をプロの目線で知っておきたい
- SNSで集めた情報が多すぎて、整理できない
- 完成したあとの暮らしが、うまく想像できない
家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
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