
概要
- 延べ面積 :106.82㎡(32.31坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :西(東)入り
- 間口(幅):9.1m
- 奥行(縦):15.015m
プランポイント
寝室でくつろいでいるとき、リビングのテレビの音が聞こえてくる。夜、子どもが寝たあとに話す声を気にする。同じ家に住んでいる以上、避けられないことのように思えます。でもこの32.31坪の平屋は、建物を二つの塊に分けることで、その問題をかなりのところまで解決しました。
ポイント①|建物を、北と南の二つに分ける
間口9.1m×奥行15.015mという縦長の敷地に対して、建物は北のブロックと南のブロックに分かれています。
北は個室ゾーン。洋室4.5帖が2つ、主寝室6帖とWIC3帖、そしてトイレ。南はLDKゾーン。LDK19.7帖と水回り一式。
その二つをつなぐのが、中央の玄関ホールです。つまり寝室からLDKへ行くには、必ずこのホールを通る。逆に言えば、ホールで音が一度切れるということですね。
ポイント②|中央にくびれをつくって、音の通り道を絞る
平面を見ると、建物の中央部分が細くなっています。玄関とホールだけの幅です。
音は空気を伝わるので、部屋と部屋が広い開口でつながっていると、そのまま届きます。でも途中で通路が細くなり、扉が挟まれば、そこで大きく減衰します。
このくびれが、防音の壁の役割を果たしている。しかも中央の東側は外部になっていて、シンボルツリーが植えられています。建物が離れているぶん、音も光も分断される形です。
ポイント③|個室ゾーンを、道路から遠い北に置く
北のブロックには、洋室4.5帖が2つと主寝室6帖。主寝室にはWIC3帖が付いています。
玄関が中央の西側にあるので、来客はホールまで。個室ゾーンには入ってきません。しかも道路からも遠い位置なので、車の音も届きにくい。
寝室にWICが直結しているので、朝の身支度もこのゾーンだけで完結します。個室ゾーン専用のトイレもあるので、夜中にLDK側まで行く必要もありません。
ポイント④|LDK19.7帖を、南の端に大きく取る
南のブロックの東側が、LDK19.7帖。
キッチンは北寄りに縦向き。その南にリビング、南東にダイニングテーブル。南面と東面の両方に窓があるので、日中はかなり明るいはずです。
そしてキッチンの北にパントリー2.2帖。玄関ホールから近い位置なので、買い物から帰ってすぐ食材をしまえます。
ポイント⑤|水回りとユーティリティーを、南の西側にまとめる
南ブロックの西側には、浴室2帖、脱衣室1.5帖、洗面所3.6帖、トイレ、ユーティリティー3.5帖、そして収納2帖。
洗面所が3.6帖と広く、洗濯機もここにあります。そして西隣のユーティリティー3.5帖には物干しのバーが2本。洗って、隣で干して、収納2帖にしまう。
脱衣室を1.5帖に絞って、作業する部屋を別に確保する。手順ごとに場所を割り当てる発想ですね。
ポイント⑥|玄関を中央に置いて、二方向へ振り分ける
玄関は建物中央の西側。シューズクローク1帖とホールを経て、北へ行けば個室、南へ行けばLDKと水回り。
家の真ん中に玄関があるので、どちらのゾーンへも同じくらいの距離です。来客はそのまま南のLDKへ、家族は北の個室へ。動線が完全に分かれています。
奥行15mの細長い建物ですが、玄関を中央に置いたことで、端から端まで歩く場面が減っています。
検討するなら、ここは確認を
- 収納の総量:WIC3帖、パントリー2.2帖、収納2帖、シューズクローク1帖、各室のクローゼット。用途ごとに分かれていて配置も良いのですが、大物をしまう場所は見当たりません。ふとんや季節家電の置き場を、設計段階で決めておきたいところです。
- ゾーンを分けることの代償:中央のくびれ部分は、玄関とホールだけの面積です。この部分は居室にならないので、同じ延べ面積の四角い家と比べると、使える部屋の合計は減ります。静けさとの引き換えですね。
- 外壁が長くなる:建物が凹んだ形なので、外壁も基礎も四角い家より増えます。建築費に響く部分なので、ゾーン分離の価値と天秤にかけて判断したいところ。
- 冬の温度差:ゾーンが分かれているということは、暖房も分かれるということです。個室ゾーンとLDKゾーンで温度差が出やすいので、断熱性能と暖房の計画は確認しておきましょう。
- 奥行15mの敷地:この長さが入る土地が前提です。駐車スペースやアプローチを含めると、さらに余裕が要ります。土地を決める前に、図面を重ねて確かめておきたいところです。
こんなご家族に向いています
- 家族の生活時間がずれているご家庭
- 寝室の静けさを最優先したい方
- 在宅で仕事をされていて、日中に静かな場所が欲しい方
- 来客を個室ゾーンに近づけたくない方
- 奥行のある縦長の土地をお持ちの方
まとめ|静かさは、距離ではなく「切れ目」でつくる
寝室を静かにしたいと相談すると、LDKから遠ざける方法がまず提案されます。でも距離を取るだけでは、壁がつながっている以上、音は伝わります。
このプランがやっているのは、建物そのものに切れ目を入れることです。中央を細くして、扉を挟んで、外部を挟む。距離は大して変わっていなくても、音の通り道が絞られています。
静かな寝室が欲しいときは、「何メートル離すか」ではなく「あいだに何を挟むか」を聞いてみてください。答えの質がずいぶん変わりますー。
保存・コメントもこちらから
こんな“間取り迷子”さん、ぜひご相談ください
- 提案されたプランに、どうもピンとこない
- 担当者と感覚が合わず、モヤモヤしている
- 「他の可能性」をプロの目線で知っておきたい
- SNSで集めた情報が多すぎて、整理できない
- 完成したあとの暮らしが、うまく想像できない
家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
ご相談メニューと料金は、リンク先のページでご確認いただけます
イメージギャラリー



コメント