マイホームを計画する際に一度は自分で間取りを考えてみようと思ったことはあるかと思います。
ただ一から間取りを考えて描くことは非常にレベルが高く、普通の人が何の気なしに描いてみようとできることではありません。
そんな時に便利なのが気軽に間取りが作成できるアプリです。
SNSで気になっている間取りや住宅会社に提案された間取りなどを基本に自分の要望を取り入れて、住宅会社に自分の理想の間取りを説明するときに手間が省けますし、行き違いも少なくなります。
ただアプリをダウンロードするにしてもいろいろなアプリがある中で何がオススメなのかわからない、ダウンロードしてみたけど思うように操作できない、操作が難しい、イメージしているものが作れない、無料アプリだと広告が出てきて邪魔、そういった思いをした方も少なくないのでしょうか。
そこで日々間取りを作成することを仕事にしている私がオススメしたいのが、設計関係の仕事をしている人なら一度は聞いたことがある「福井コンピューター」というCADソフトを販売している企業が提供しているアプリ『まどりっち』です。
完全無料で広告も表示されず気軽に使えて便利なので、私も仕事で間取りを考えるときにまずはこのアプリを使って進めていきます。
今回はそんな『まどりっち』がなぜいいのか、どのようなアプリなのかを解説していきたいと思います。
『まどりっち』ってどんなアプリ?
建築、測量、土木といったコンストラクション分野のCADソフトウェアを開発・販売している独立系大手ソフトメーカー『福井コンピューター』の提供しているiPad専用アプリです。
建築CADを専門に開発している会社が手掛けているので操作性や細かい納まりだったり非常に考えられており、建築のプロである設計士も生産性向上やお客様との打ち合わせ等多くの場面で活用されています。
https://archi.fukuicompu.co.jp/products/madoritchi/
建築CADの専門会社が提供していてプランニングに特化したアプリということもあり操作性と機能性に優れていて一般の方でも直観的に操作できるため簡単に作成が可能です。
また住宅営業の方で設計スキルが高くなくても使いこなすことができれば商談のツールとして非常に役立ちます。
従来であれば設計が打合せに同席していない場合、
- お客様から要望の聞き取り
- 社内へ持ち帰って設計担当へ伝達
- 設計担当がプランを作図
- お客様へ提案
といった流れになり、聞き取りをしてから提案するのに1週間程度はかってしまいます。時間をかけて作成したプランがお客様のイメージされているものと違った場合はそこでまた①からの繰り返しになり時間のロスになってしまいますが、ちょっとしたイメージをその場で共有できれば時間の短縮になり生産性を高めることができますね。
機能説明
簡単な操作イメージを提供元の福井コンピューターさんが動画をアップしておりましたのでそちらを参考にご確認ください。
ちなみに完成させたものがこちら↓↓
慣れれば10分程度でここまで描くことも可能です。
特徴
【メリット】
部屋の寸法や帖数、延床面積が瞬時に表示される
四角で部屋の形をつくると四方寸法、帖数(㎡表示も可能)、総床面積など瞬時に情報が表示されます。面積を気にしながら間取りを検討している際に非常に役に立つ機能です。
グリッドサイズも一般的な木造住宅で採用している尺モジュール(910㎜)とメーターモジュール(1,000㎜)、さらに細かく指定したい場合はミリ単位で数値を設定できるので住宅だけでなくマンションや店舗など様々な用途のプラン作成に役立ちます。
間取りを考える上で大切なのは、ただ単に必要な要望を取り入れることではありません。要望を増やしていっても面積が増加することで建物に掛かる費用も上がっていきますのであらかじめ延床面積の上限を定めておくことをオススメします。
描いたものをpdf、jpgデータに変換できる
iPadですのでapple製品間であれば描いたものをそのままファイルに保存、エアードロップやメールなどで共有することが可能です。
手書きでも作成可能
わざわざ別途タッチペン(applepencilでなくてもよい)を用意しなくても作成可能です。
ただ細かい作図はペンがあったほうが断然正確で早いので利用することをオススメします。
無料アプリなのに広告がない
無料であっても広告が表示されていたり操作性が悪く、思っていたようなものが作れないというアプリは数多くあります。プロもオススメするほど操作性がよくクオリティが高い間取り図が作成できます。
【デメリット】
iPadでしか利用できない
iPad専用アプリのため現在iPhone、androidでは使用できません。
プランが保存できない
基本的に作成中に他の間取りを作成したいと思っても保存できないため、一度pdf、jpgデータに変換するなどしてから新規作成する必要があります。複数のプランを並行して作成できないので案が煮詰まっていない状態で他のプランを検討したい時などには少々不便です。このアプリの唯一の欠点かと思います。
しかし作成範囲は無制限(おそらく)なので作成プランの枠外に別のプランを並べて作成することが可能です。そうすれば作成中のプランをわざわざ削除する必要はありません。その場合は、延床面積や外寸法などが統合されて表示されてしまいますので注意が必要です。
※提供元の有料プラン(CADソフト:アーキトレンドとの連携可能)を利用すれば保存は可能ですがこちらは住宅会社向けのため一般の利用はできません。
まとめ
正式な図面として利用することは難しいですが、プランを検討する段階では非常に便利なツールになります。
実際に私もお客様と間取りの打合せをする際にこちらを使用しており重宝しております。
何せこれだけの性能のアプリが無料で利用できるので使わない理由がありません。
一から間取りを作成するのは難しいですがまずはSNSで気になった間取りや住宅会社からもらった間取り図などを参考にしながら操作してみるのがいいかと思います。
細かな操作方法などを解説したものも後日公開予定ですのでその際は是非ご覧になって下さい。
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