ゆとりある空間作りは各スペースの目的を理解することから始まるプラン

間取り紹介

概要

  • 延べ面積 :115.93㎡(35.06坪)
  • 部屋数  :3LDK
  • 玄関   :南入り
  • 間口(幅):8.19m
  • 奥行(縦):10.92m

プランポイント

「洗面所」と一言でいっても、そこで起きていることは複数あります。顔を洗う、服を脱ぐ、洗濯物を干す。全部ひとつの部屋でやろうとすると、誰かが使っているあいだ他の人は待つことになる。この35.06坪の家は、その3つを別々の部屋に分けました。ゆとりというのは、面積ではなく用途の交通整理から生まれます。

ポイント①|洗面・脱衣・物干しを、3つの部屋に分ける

1階の西側を見ていきます。北に脱衣室2.0帖と浴室2.0帖、その南にランドリールーム3.0帖、そして東に洗面所。

脱衣室は服を脱ぐだけ。ランドリールームは洗って干すだけ。洗面所は顔を洗い歯を磨くだけ。役割がひとつずつに絞られています。

すると何が起きるか。誰かが入浴していても洗面台は使えるし、洗濯物が干してあっても脱衣の邪魔になりません。同じ面積でも、干渉しないというだけで使える時間が増えるんですよね。

ポイント②|シューズクロークからファミリークロークへ、直通させる

南西の玄関に、シューズクローク3.0帖。その北にファミリークローク3.0帖が隣接しています。

帰宅したら、靴を脱いで、そのまま上着を掛けて、部屋着に着替える。玄関からLDKに入る前に、外の装いを全部落とせます。

外で使うものと、外で着ていたもの。この2つを玄関まわりで止める仕組みですね。3帖ずつという広さも、家族4人ぶんを受け止めるには十分です。

ポイント③|LDK21.0帖の南に、大きな窓とウッドデッキ

1階の中央から東にかけて、LDK21.0帖。キッチンは北東寄りで、そこから南へダイニングテーブル、ソファと続きます。

南面には大きな窓。その外にウッドデッキが広がっています。間口8.19m×奥行10.92mという縦長の建物ですが、南に大きく開くことで奥まで光が届きます。

晴れた日はデッキで食事もできる広さです。室内の21帖に、外の床が足される感覚ですね。

ポイント④|2階の書斎2.0帖を、寝室の奥に置く

2階の北東に、2.0帖の書斎。南隣が主寝室6.4帖です。

寝室の奥という位置がポイントで、子ども部屋のある西側からは遠い。廊下からも直接は見えません。

机ひとつ分の広さですが、扉が閉まって、誰も通らない。在宅で仕事をするなら、この静けさは面積以上の価値があります。

ポイント⑤|子ども部屋2つは、将来つなげられる

2階の西側に洋室5.4帖が2つ。あいだに仕切りの壁と収納があります。

この壁と収納を取り払えば、10.8帖の1室になります。お子さんが小さいうちは広く使い、大きくなったら分ける。あるいは独立したあとに再びつなげる。

最初から可変を前提にしておくと、家族の変化に対応できます。壁の位置を「あとで動かせる場所」として設計しておくかどうかの違いですね。

ポイント⑥|2階の西側に、大きなバルコニー

2階の西側、建物の外に長いバルコニーが伸びています。かなりの面積です。

1階のランドリールーム3.0帖で室内干し、2階のバルコニーで外干し。天候によって使い分けられます。

ただし洗濯機は1階なので、外に干すときは階段を上がることになります。日常はランドリールーム、大物や晴れた日はバルコニー、という使い分けでしょうか。

検討するなら、ここは確認を

  • 収納の配分:シューズクローク3.0帖、ファミリークローク3.0帖、パントリー、各室のクローゼット。玄関まわりが手厚い構成です。ただし納戸のような部屋はないので、ふとんや季節家電をどこに収めるかは別に決めておきたいところ。
  • 3室に分けることの代償:洗面・脱衣・物干しを分けると、壁と建具がその数だけ増えます。合計7帖を使っているので、まとめて5帖の1室にする選択肢と比べてみる価値はあります。
  • 洗濯物を2階へ運ぶか:バルコニーを主に使うなら、階段の往復が発生します。1階のランドリールームで完結させる前提なら、バルコニーの大きさは見直せるかもしれません。
  • 子ども部屋をつなげる前提:壁と収納を撤去できる構造かどうか、設計段階で確認が必要です。あとから言っても、構造壁だと動かせません。
  • 間口8.19mの東西の壁:縦長の建物なので、両隣とは近くなります。南の大きな窓が光の主役になるので、南側に何が建つかを確認しておきましょう。

こんなご家族に向いています

  • 朝の身支度が家族で重なるご家庭
  • 帰宅してすぐ着替えたい方
  • 在宅で仕事をする静かな場所が欲しい方
  • お子さんの成長に合わせて部屋を変えたい方
  • 縦長の敷地をお持ちの方

まとめ|「ゆとり」は広さではなく、重ならないこと

ゆとりのある家にしたい、という要望はよく聞きます。そして多くの場合、坪数を増やす話になります。

でも実際に窮屈さを感じるのは、面積が足りないときより、誰かと使いたい場所が重なったときです。洗面台が塞がっている、洗濯物が邪魔で着替えられない。

このプランは、そこを部屋を分けることで解きました。ひとつの部屋に役割をひとつだけ。坪数を増やさなくても、干渉が減ればゆとりは生まれます。何のための場所かを一つずつ決めていくと、必要な形が見えてきますー。

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複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。

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