
概要
- 延べ面積 :93.98㎡(28.43坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :南入り
- 間口(幅):10.01m
- 奥行(縦):11.83m
プランポイント
中庭というと、眺めるためのものだと思われがちです。窓の向こうに緑があって、それを見て過ごす。でもこの28.43坪の平屋では、中庭が通り道になっています。すべての部屋から直接出入りできる。だから部屋から部屋へ、中庭を横切って行けます。庭が景色であると同時に、家の交差点でもあるわけです。
ポイント①|すべての部屋を、中庭に面させる
建物の中央に中庭。その周りを、北に主寝室8.2帖と洋室4.5帖、西にLDK19.0帖、南に和室4.5帖と玄関が囲んでいます。
どの部屋からも中庭に出られる。つまり室内を通らずに、庭を経由して別の部屋へ行けます。
平屋は横に広がるぶん、端から端までの距離が長くなります。でも中庭を突っ切れば、その距離が短くなる。庭が近道になっているんですね。
ポイント②|「呼べばすぐ集合できる」という距離感
すべての部屋が同じ中庭に面しているということは、そこに立てば全部の部屋に声が届くということでもあります。
家族が別々の部屋にいても、中庭に出て呼べばいい。廊下を歩いて一部屋ずつ回る必要がありません。
平屋の弱点は、部屋が横並びになるぶん、互いの気配が伝わりにくいことです。中庭を中心に据えると、その弱点が消えます。全員が同じ場所を向いている状態がつくれる。
ポイント③|LDK19.0帖から見る中庭を、景観として設計する
西側のLDK19.0帖。その東側の窓が中庭に向いています。
ここは出入りというより、眺めるための面です。大きな窓を一枚入れれば、中庭がそのまま絵になる。
出入りする面と、眺める面。同じ中庭でも、部屋によって役割を変えられるのが囲われた庭の利点です。LDKからは景色として、他の部屋からは通路として使う。
ポイント④|和室4.5帖を、南西の角に
南西に和室4.5帖。中庭にも、南の庭にも面しています。
畳の部屋が中庭に接していると、縁側のような使い方ができます。障子を開けて、腰を下ろして、外を眺める。
そして玄関からも近いので、来客をここに通せます。LDKを見せずに済むうえ、中庭の景色は共有できる。もてなす部屋としてよく考えられた位置です。
ポイント⑤|玄関に手洗いを置いて、奥行の長さを補う
南東に玄関。シューズクローク0.8帖が併設されています。
奥行11.83mという縦に長い建物なので、玄関から北の洗面脱衣室までは距離があります。帰宅して手を洗うのに、家を縦断することになる。
そこで玄関のそばに手洗いを設けています。奥行のある間取りでは、この一か所があるかないかで、帰宅後の動きがまったく変わります。
ポイント⑥|水回りを北に、パントリー1.9帖をキッチンの隣に
北側には浴室2.0帖、洗面脱衣室3.5帖、トイレ。キッチンの北にはパントリー1.9帖。
洗面脱衣室が3.5帖と広めなので、洗濯機を置いて室内干しもできます。中庭に面した窓が取れるので、湿気も抜けやすい。
パントリーがキッチンの北にあるので、料理をしながら水回りへ行くのも短く済みます。
検討するなら、ここは確認を
- 収納の配分:パントリー1.9帖、シューズクローク0.8帖、各室のクローゼット。28坪台の平屋としては控えめです。ファミリークロークもなく、大物の置き場もありません。棚をつくり付ける費用を、最初から見込んでおきたいところ。
- 中庭を通ることの現実:雨の日、寒い日に庭を横切るかというと、実際には室内を回ることになります。中庭経由の動線は「晴れた日の近道」と考えて、室内側の動線も確認しておきましょう。
- 開口部が増えることの影響:すべての部屋が中庭に面するということは、その数だけ窓や扉があるということです。断熱の弱点も増えるので、サッシの仕様は標準よりひとつ上を検討したいですね。
- 中庭の排水と落ち葉:四方を建物に囲まれた場所なので、雨水も落ち葉もたまります。排水経路と、掃除のための動線を図面で確認しておきましょう。
- 建築面積が敷地に載るか:間口10.01m×奥行11.83m。延べ面積28.43坪に対して、中庭を抱えるぶん外形は大きくなります。駐車台数を含めて確認を。
こんなご家族に向いています
- 平屋で、家族の気配を感じられる家にしたい方
- 人目を気にせず庭に出たい方
- 和室を縁側のように使いたい方
- 眺めるための庭が欲しい方
- お子さんが2人までのご家庭
まとめ|庭は、見るだけのものにしなくていい
庭をつくるとき、たいていは「どこから見えるか」で位置を決めます。リビングから見えるように、と。
でも中庭のように四方を囲まれた庭なら、もうひとつの使い方ができます。通り道にすることです。部屋と部屋をつなぐ、屋根のない廊下として。
そう考えると、庭の価値は面積では測れません。何部屋がそこに面しているか、いくつの出入口があるか。そちらのほうが、暮らしへの効き方は大きいかもしれませんー。
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