食材と衣類が出会うことで生まれる家事動線プラン

間取り紹介

概要

  • 延べ面積 :95.23㎡(28.80坪)
  • 部屋数  :3LDK
  • 玄関   :北入り
  • 間口(幅):11.83m
  • 奥行(縦):9.1m
  • 収納率  :16.29%

プランポイント

家事の中身を分解すると、大きく「食」と「衣」に分かれます。買ってきた食材をしまう、料理をする。洗濯物を洗う、干す、しまう。この2つはまったく別の作業なのに、たいていの家では別々の場所に置かれています。この28.80坪の平屋は、その2つをあえて隣り合わせにしました。パントリー2帖とファミリークローク3帖が、家の中央で背中合わせに並んでいます。

ポイント①|パントリーとファミリークロークを、同じ帯に並べる

家の中央、キッチンの北側にパントリー2帖。その東隣にファミリークローク3帖。この2つが一列に並んでいます。

北側には洗面脱衣室3帖と浴室、南側にはLDK19.6帖。つまりこの収納の帯は、水回りとLDKの両方に接しているんですね。

食材はキッチンからパントリーへ。洗濯物は脱衣室からファミリークロークへ。動く方向は違うのに、行き着く場所が隣どうし。だから朝、食事の支度をしながら洗濯物をしまう、といった「ながら家事」が成立します。家事を種類ごとに分けず、同じエリアで片付けてしまう考え方です。

ポイント②|北入りの玄関から、ホールで左右に分ける

玄関は北側の中央。シューズクローク1帖を脇に置き、上がるとホールが東西に伸びています。

このホールが分岐点になっていて、西へ行けば水回りと収納の帯、東へ行けば個室ゾーン、南へ行けばLDK。玄関から見て、生活の3方向がきれいに分かれています。

北入りの家は玄関が暗くなりがちですが、ホールが東西に長く抜けているぶん、両側の部屋から光が回ってきます。玄関からLDKが直接見えない配置なので、来客時に慌てなくて済むのもいいところですね。

ポイント③|19.6帖のLDKを、南西にたっぷりと

LDKは19.6帖。28.80坪の平屋としては、かなり大きく取られています。

キッチンは西側に縦に配置。手前がダイニング、東側がリビングで、南面の掃き出し窓の外にはウッドデッキが伸びています。

キッチンに立つと、背中側にパントリー、右手にダイニング、正面にリビング。振り返らずに家じゅうの様子が把握できる位置です。北側の水回りへも、パントリー脇を抜ければ数歩。中央に立って全方向に届く、という平屋らしい配置になっています。

ポイント④|洗面脱衣室3帖に、洗う・干す・整えるをまとめる

北西の水回りは、浴室2帖と洗面脱衣室3帖。洗面台と洗濯機が同じ部屋にあり、室内干しのバーも設けられています。

3帖という広さは、洗濯機の前に立って作業しても背後を人が通れる寸法です。分けずに1室にまとめたぶん、それぞれの動作にゆとりが出ています。

そしてこの部屋を出ると、すぐファミリークローク。洗って、干して、乾いたらそのまま隣にしまう。この距離の短さが、このプランの一番の売りだと思います。

ポイント⑤|個室3つを東側に、まとめて配置

東側には洋室4.4帖、洋室4.6帖、そして南東の角に主寝室7.6帖。3部屋が縦に並んでいます。

洋室2つは4帖台とコンパクトですが、これはファミリークロークに衣類を集約している前提の広さですね。部屋の中にクローゼットのぶんの面積を取らなくていいので、机とベッドを置く空間としては足ります。

主寝室7.6帖は南東の角。朝の光が入り、LDKからは廊下を挟んで離れているので、生活音からも距離があります。個室ゾーンを東にまとめたことで、西側の家事エリアと生活の時間帯がきれいに分かれる形になっています。

ポイント⑥|LDKと主寝室のあいだに、小さな坪庭

図面をよく見ると、LDKの東端、主寝室との境あたりに植栽の描かれた小さな外部空間があります。

間口11.83m×奥行9.1mという、比較的ずんぐりした平面です。この形はどうしても中央部が暗くなるので、建物の内側に光の入口をつくっているんですね。

坪庭はLDKからも主寝室の廊下からも見えます。面積としてはわずかですが、家の真ん中に緑と空が見える場所があるかどうかで、日中の印象はずいぶん変わります。

検討するなら、ここは確認を

  • 収納率16.29%:余裕があるぶん、詰め込まずに使えます。その余白があることで、片付いた状態が続きやすくなります。パントリー2帖・ファミリークローク3帖・シューズクローク1帖と、それぞれの用途がはっきり分かれているのも、散らかりにくさにつながる部分ですね。
  • 洋室が4.4帖と4.6帖:衣類が部屋の外にある前提なので実用上は成り立ちます。その前提が崩れると窮屈になります。お子さんが「自分の服は自分の部屋に」と言い出す時期に、家具で足せる余地があるかは見ておきたいところ。
  • 間口11.83m×奥行9.1mの敷地:建築面積が大きい平屋なので、建ぺい率の上限にぶつかりやすい形です。駐車スペースを含めて敷地に載るかどうか、土地を決める前に図面を重ねて検証しておくと確実です。
  • 北入り玄関の冬の冷え:北側の玄関は、どうしても寒さを感じやすい場所になります。玄関ドアの断熱グレードと、ホールへの建具の有無を確認しておきたいですね。
  • 坪庭の維持:建物の内側にある外部は、落ち葉と雨水がたまります。掃除のために出入りできるか、水はけをどう取るかは設計段階で詰めておくと安心です。

こんなご家族に向いています

  • 料理と洗濯を同時進行でこなしたい方
  • 買い物の量が多く、食品ストックを持ちたいご家庭
  • 洗濯物をしまう工程をとにかく短くしたい方
  • 平屋の3LDKで、ご家族4人までを想定されている方
  • 個室は寝る場所と割り切れる方

まとめ|家事を「種類」ではなく「場所」でまとめる

家事動線というと、キッチンの中の歩数や、洗濯機から物干しまでの距離といった話になりがちです。でも実際の暮らしでは、料理と洗濯は同じ時間帯に並行して起きています。

このプランは、食のための収納と衣のための収納を隣に置くことで、その並行作業を1か所で回せるようにしました。食材と衣類が出会う場所、というのはそういう意味です。

ご自身の朝の1時間を思い返してみてください。キッチンと洗濯機のあいだを、何往復しているでしょうか。その動きを短くできる場所が家の中にあるかどうかで、毎日の疲れ方が変わってきますー。

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家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。

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