
概要
- 延べ面積 :93.57㎡(28.30坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :南入り
- 間口(幅):5.46m
- 奥行(縦):19.11m
- 収納率 :12.82%
プランポイント
間口5.46m。奥行19.11m。いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる、極端に細長い敷地です。この条件で28.30坪・3LDKの平屋を、しかもLDK18帖で成立させています。鍵になっているのは玄関の位置。手前ではなく、あえて奥に引いたことで、南の一等地がまるごとリビングになりました。
ポイント①|玄関を手前ではなく、建物の中ほどに置く
普通、南入りの家は南面に玄関をつくります。道路から近いですし、そのほうが分かりやすいですよね。
でもこのプランは違います。玄関は建物の南端から4mほど奥に入った西側にあり、アプローチは西からぐるりと回り込む形。南面には玄関がありません。
その結果、南の端の一番日当たりのいい場所を、まるごとLDKに使えています。間口5.46mしかない家で玄関を南面に取ると、LDKの幅は3m台まで削られてしまう。この「玄関を奥に引く」という一手が、18帖のLDKを生んでいます。
ポイント②|LDK18帖を、南端に幅いっぱいで
南端のLDKは18帖。間口5.46mをまるごと使い、南北に長く伸ばした形です。
南側の掃き出し窓の前がリビング。そこからダイニング、キッチンと北へ向かって並びます。キッチンは北東寄りで、背面にカップボードと冷蔵庫。細長い形をそのまま一直線の動線にしています。
細長いLDKは間延びしがちですが、リビング・ダイニング・キッチンで役割が3つに分かれていると、かえって自然に区切られます。壁で仕切らなくても、家具の並びだけでゾーンが分かれるんですよね。
ポイント③|水回りを東側にまとめて、通路と兼ねさせる
家の中ほど、東側に浴室2帖と脱衣室2.5帖。その北にファミリークローク2.2帖、西側にトイレと洗面台があります。
間口が狭い家では、廊下と部屋を分けて考えると面積が足りなくなります。このプランはホールと洗面のスペースを兼用させて、通るための場所と使うための場所を重ねています。
脱衣室からファミリークロークまでは数歩。洗って、干して、しまうが同じエリアで完結します。細長い家でこの3つが離れると、家じゅうを縦断することになるので、ここを一か所に集めた判断は大きいです。
ポイント④|北側に個室3つ。いちばん静かな場所に寝る
北半分は個室ゾーンです。北端に主寝室6帖とWIC1.5帖、その南に洋室5帖と洋室4.5帖。
道路から一番遠い場所が寝室になるので、車の音や人の気配から離れられます。細長い敷地の奥は暗くなりがちですが、東西の壁が長いぶん、両側から光を取り込めるのがこの形の利点ですね。
主寝室のすぐ横にWICがあり、洋室2つの間にはファミリークロークが挟まっています。収納が個室ゾーンの中に散らばっているので、朝の支度で家じゅうを歩き回る必要がありません。
ポイント⑤|東側の中庭で、真ん中に光を落とす
浴室の北、WICの東側あたりに、植栽の描かれた小さな外部空間があります。建物を東側で少し欠き込んで、そこに緑を入れた形です。
奥行19mの細長い家でいちばん問題になるのが、中央部の暗さです。南北の窓は端にしかないので、真ん中まで光が届きません。
そこで建物の途中に外部を差し込んで、光と風の入口をつくっています。浴室から緑が見えるのも気持ちがいいですし、水回りの湿気を逃がす窓としても機能します。細長いプランでは、この「途中に開ける」発想が効くんですよね。
ポイント⑥|玄関のシューズクロークと、西からのアプローチ
玄関の脇にはシューズクロークがあり、ホールを経てLDKへ、あるいは北の個室ゾーンへ分岐します。
玄関を建物の中ほどに置いたことで、南のLDKにも北の寝室にも、ほぼ同じ距離でアクセスできる位置になりました。端に玄関があると、必ずどちらかが遠くなります。
西からのアプローチは、駐車スペースの取り方とも関係します。細長い敷地では、車を縦に停めるか横に停めるかで玄関の位置が決まってくるので、ここは土地の形とセットで考える部分です。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率12.82%:総量は十分です。ただし、かさばるものの行き先だけは別に決めておきたいですね。ファミリークローク2.2帖とWIC1.5帖は衣類向けの寸法なので、スーツケースや扇風機、季節の飾りものをどこに入れるかは決めておきたいですね。シューズクロークの棚の割り付けで、ある程度は吸収できます。
- 東西の壁が採光の主役になる:南北の窓は端にしかない形なので、光の入口は東西面です。ここが隣家に塞がれると一気に暗くなります。両隣にどんな建物が建っているか、建つ可能性があるかを、土地の段階で確認しておきたいところ。
- 玄関までの動線をどう取るか:アプローチを西から回り込ませる形なので、その通路ぶんの余白が敷地に要ります。駐車場の位置と合わせて、敷地図の上で一度検証しておくと確実です。
- 奥行19.11mの移動距離:端から端まで20m近くあります。主寝室からLDKまで、洗濯物を持って歩く距離を想像してみてください。水回りを中央に置いてある設計ではありますが、それでも平屋としては長い部類です。
- 中庭部分の維持:建物に囲まれた小さな外部は、落ち葉と雨水がたまりやすい場所です。掃除のために出られる動線があるか、水はけをどう取るかは、図面の段階で確認を。
こんなご家族に向いています
- 間口の狭い、細長い土地を検討されている方
- 敷地条件が厳しくても、平屋を諦めたくない方
- LDKの広さを最優先したいご家族
- 道路の音から離れた寝室で休みたい方
- 3LDKで足りるご家族(3〜4人)
まとめ|玄関の位置は、間取り全体を決める
玄関はどこに置いてもいい、というものではありません。特に間口の狭い敷地では、玄関を南面に取るかどうかで、LDKの広さが決定的に変わります。
このプランは「玄関は道路から近いほうがいい」という常識を一度手放して、奥に引きました。それによって南面がまるごと空き、18帖のLDKが成立しています。アプローチは少し遠回りになりますが、毎日の暮らしで得るもののほうが大きい。そういう判断ですね。
細長い土地を前にして諦めかけている方は、玄関の位置だけを動かしてみると、まったく違う絵が描けることがあります。まずは「南面を何に使いたいか」から逆算してみてくださいー。
保存・コメントもこちらから
こんな“間取り迷子”さん、ぜひご相談ください
- 提案されたプランに、どうもピンとこない
- 担当者と感覚が合わず、モヤモヤしている
- 「他の可能性」をプロの目線で知っておきたい
- SNSで集めた情報が多すぎて、整理できない
- 完成したあとの暮らしが、うまく想像できない
家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
ご相談メニューと料金は、リンク先のページでご確認いただけます
イメージギャラリー










コメント