
概要
- 延べ面積 :96.05㎡(29.05坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :東西入り
- 間口(幅):11.83m
- 奥行(縦):9.1m
- 収納率 :17.44%
プランポイント
「収納はとにかく多いほうがいい」。打ち合わせでよく聞く言葉ですが、実際に住み始めると、大きい収納があるのに片付かない家というのが出てきます。理由ははっきりしていて、しまいたい場所と収納の場所が離れているからです。この29.05坪の平屋は、収納率17.44%という数字よりも、その配り方のほうに価値があるプランです。
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ポイント①|玄関の脇に、シューズクローク2.5帖とパントリー1.5帖を並べる
西側の玄関を入ってすぐ、南側に2.5帖のシューズクローク。そしてその奥、キッチンの背面側に1.5帖のパントリーが続いています。
この2つが隣り合っているのが効いています。買い物から帰ってきたとき、靴を脱いで、外用の荷物はシューズクロークへ、食材はそのままパントリーへ。玄関からキッチンまで、荷物を持ってリビングを横断する必要がありません。
シューズクロークが2.5帖あれば、靴のほかにベビーカー、傘、アウトドア用品、お子さんの外遊び道具まで入ります。外で使うものが室内に入ってこないだけで、家の中はずいぶん片付いて見えるんですよね。
ポイント②|ファミリークローク3帖を、水回りと個室のあいだに
家の中央北寄り、ホールに面して3帖のファミリークロークがあります。位置を確認すると、脱衣室・浴室のすぐ西側で、なおかつ洋室2つと主寝室のどれからも近い。
衣類の流れで考えると分かりやすくて、脱衣室で洗って、干して、数歩でここにしまう。朝はここで着替える、あるいは各部屋へ持っていく。洗濯という家事のなかでいちばん面倒な「しまう」工程が、いちばん短くなる場所に置かれています。
各部屋に大きなクローゼットを付ける方法もありますが、そうすると洗濯物を4か所に配って歩くことになります。1か所に集めるほうが、同じ収納量でも手間はずっと減るんですよね。
ポイント③|それでも各部屋にクローゼットは残してある
おもしろいのは、ファミリークロークに全部を集約していないところです。洋室5.2帖が2つと主寝室6.5帖には、それぞれクローゼットがきちんと付いています。
集約しすぎると、今度は「自分の服が自分の部屋にない」という不便が出ます。特に思春期のお子さんには、これがストレスになることがあるんですよね。
日常的に着る服はファミリークローク、季節外や個人のものは各部屋。この二段構えにしておけば、家族構成や年齢が変わっても対応できます。収納は適材適所、というのはこういう配分のことだと思います。
ポイント④|18.5帖のLDKを、家の中心に据える
LDKは18.5帖。西側にキッチンがあり、アイランドのカウンターとダイニングテーブルが一直線に並ぶ配置です。そこから東に向かってリビングが広がります。
キッチンから見ると、正面にリビング、右手にパントリーと玄関、左手奥にホールと水回り。家の中で起きていることがほぼ見渡せる位置に立てるようになっています。
29坪の平屋でLDKに18.5帖を割くのは、なかなかの配分です。個室を5.2帖・5.2帖・6.5帖とやや小さめに抑えているぶんが、ここに返ってきていますね。
ポイント⑤|主寝室6.5帖を南東に。デッキと並べる
南東の角に主寝室6.5帖。その西側、LDKの南面に沿ってウッドデッキが伸びています。
寝室を南に置くプランは意外と少なくて、日当たりのいい面はLDKに譲るのが定石です。ここではLDKが東西に長く南面を確保できているので、余った南東の角を寝室に回せています。
主寝室にもクローゼットが付いていて、LDKからも廊下からもアクセスできる位置。夜、リビングから寝室まで数歩というのは、地味ですが平屋の大きな利点です。
ポイント⑥|ホールを収納の交差点にする
中央のホールは、単なる通路ではありません。北にファミリークローク、東に洗面・脱衣・浴室、西に玄関、南にLDK、そして各個室。すべてがここで交差します。
洗面カウンターもホールに面して置かれていて、脱衣室とは分けられています。誰かが入浴していても、手洗いや歯磨きはできる形ですね。
収納も水回りも個室も、この一点から届く。平屋の中央にこういう「交差点」をつくると、家全体の移動距離が短くなります。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率17.44%:広い収納は、区切り方を決めないと結局モノが積み上がります。特にシューズクローク2.5帖とファミリークローク3帖は、棚の高さと奥行きの割り付けまで詰めておきたいところ。奥行きを取りすぎると、奥のものが取り出せない死蔵スペースになります。
- 収納に面積を使っている:シューズクローク・パントリー・ファミリークロークだけで7帖。約3.5坪ぶんです。この面積を居室に回さなかった判断に納得できるかどうかが、このプランを選ぶかどうかの分かれ目になります。
- 個室が5.2帖・5.2帖・6.5帖と控えめ:ファミリークロークに衣類を出す前提の広さです。お子さんが部屋で過ごす時間が長くなる年齢に、机とベッドを置いて窮屈にならないか、家具の配置まで一度描いてみることをおすすめします。
- 玄関が西向き:夕方の西日が玄関に直接入ります。ドアの断熱仕様と、庇の出をどうするか。夏場の玄関の温度は、意外と体感に響く部分です。
- 北側の洋室2つの採光:北東と北西に配置されているため、日中の明るさは南側の部屋に劣ります。窓の大きさと位置は、ベッドや机の置き場所とセットで検討しておきたいですね。
こんなご家族に向いています
- 収納量そのものより、片付けやすさを重視したい方
- 買い物や荷物の出入りが多いご家庭
- 洗濯の「しまう」工程をとにかく短くしたい方
- 平屋で3LDKを検討している4人までのご家族
- モノの定位置を決めて暮らしたい方
まとめ|収納は、量より「どこにあるか」
収納率という数字は目安として便利ですが、それだけで暮らしやすさは決まりません。同じ17%でも、家の隅にまとめて置かれているのと、使う場所の隣に分けて置かれているのとでは、住んでからの体感がまったく違います。
このプランは、玄関に外のもの、キッチンに食品、水回りの隣に衣類、個室に個人のもの、と役割ごとに置き場を分けました。だから「これはどこにしまうんだっけ」と迷う場面が少ない。
ご自身の家を考えるときも、「収納を何帖取るか」の前に、「何を、どこで使って、どこにしまうか」を書き出してみてください。必要な量と場所が、自然と見えてきますー。
こんな“間取り迷子”さん、ぜひご相談ください
- 提案されたプランに、どうもピンとこない
- 担当者と感覚が合わず、モヤモヤしている
- 「他の可能性」をプロの目線で知っておきたい
- SNSで集めた情報が多すぎて、整理できない
- 完成したあとの暮らしが、うまく想像できない
家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
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