

概要
- 延べ面積 :111.37㎡(33.69坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :南入り
- 間口(幅):8.645m
- 奥行(縦):11.83m
- 収納率 :10.02%
プランポイント
2階建てなのに、2階に上がる用事がない。この33.69坪・3LDKは、そういう家です。主寝室も水回りもファミリークロークも1階。2階にあるのは子ども部屋2つと、その収納とトイレだけ。お子さんが独立してしまえば、ご夫婦にとって階段は「一生登ることのない階段」になります。それでいいのだ、と割り切ったプランですね。
ポイント①|主寝室8帖を1階の北東に置く
1階の北東の角に、主寝室8帖。この一室があるかないかで、家の性格がまるごと変わります。
寝室が1階にあると、寝る・食べる・入浴する・洗濯する・出かける、が全部ワンフロアで完結します。2階建ての形をしていながら、暮らし方は平屋と同じ。
しかも8帖という広さで、図面にはデスクも描かれています。寝るだけの部屋ではなく、こもって作業もできる。1階に「自分たちの居場所」がしっかり確保されているから、2階に用がなくなるわけですね。
ポイント②|ファミリークローク4帖を、水回りと寝室のあいだに
1階の中央北寄りに、4帖のファミリークローク。西側には洗面所と脱衣室1.5帖、浴室2帖が並び、東側が主寝室です。
洗って、干して、隣のクロークにしまう。そして朝はここで着替えて出ていく。衣類が移動する距離が、家の中でいちばん短くなる場所に置かれています。
4帖という広さは、ご家族4人ぶんの日常着をハンガーで掛けてもまだ余ります。個室にクローゼットを分散させるより、1か所にまとめたほうが、同じ量でも省スペースなんですよね。
ポイント③|LDK20帖と、ヌック2帖という小さな隠れ家
家の中央から南にかけて、LDK20帖。キッチンは北寄りに置かれ、ダイニング、リビングと南へ流れていきます。
そして玄関ホールの東側、LDKとの境目に「ヌック」と書かれた2帖の小さな空間があります。
ヌックというのは、壁に囲まれた小さなこもり場所のこと。ここに座ると、LDKにいながら少しだけ隔てられた感じになります。お子さんの勉強、ちょっとした作業、本を読む場所。20帖という大きな空間の中に、あえて小さな居場所を用意しているのが面白いところです。
ポイント④|玄関にシューズクローク2帖を添える
南西の玄関に、2帖のシューズクローク。ホールを経てLDKへ入る形です。
間口8.645m×奥行11.83mという縦長の建物なので、玄関は南の端に置かれています。そこからホールを北へ進むと、水回りと階段、東へ折れるとLDK。
シューズクロークが2帖あれば、靴のほかにベビーカーやアウトドア用品も入ります。玄関にものが出しっぱなしにならないだけで、家の第一印象はずいぶん変わるんですよね。
ポイント⑤|階段を家の中央に置いて、2階を北側だけにする
階段は1階のほぼ中央、ファミリークロークの南側にあります。
2階の図面を見ると、床があるのは北側だけ。南半分は1階の屋根になっています。つまり2階は必要な部屋だけを載せた、最小限の面積です。
総二階にすれば延べ面積は稼げますが、使わない部屋が増えるだけ。この家は「2階に何を置くか」ではなく「2階に何を置かないか」で設計されているので、この形になります。
ポイント⑥|2階は洋室2つとWIC2つ、そしてトイレ
2階は洋室4.7帖と5.5帖。それぞれに1.5帖のウォークインクローゼットが付いています。あとはホールとトイレ。
子ども部屋にWICを付けているのは、1階のファミリークロークが親主体で使われる想定だからでしょうね。年頃になれば、自分の服は自分の部屋に置きたくなります。
トイレが2階にあるのも大事なところで、夜中に階段を降りずに済みます。子どもたちが自分の階だけで完結できるようになっている。1階と2階で生活を分けるという考え方が、細部まで一貫しています。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率10.02%:1階に主寝室とファミリークローク4帖を置いた結果、家全体で見ると数字は低めに出ています。特に共用の大物置き場がありません。ふとん、季節家電、思い出の品をどこに入れるか。階段下や2階ホールに造作を足せないか、設計段階で相談しておきたいところです。
- 2階を使わなくなったあと:お子さんが独立すると、2階の2部屋が完全に空きます。掃除も換気もしなくなる場所が生まれるので、10年後・20年後にどう使うかを一つ想定しておくと無駄になりません。
- 主寝室が北東:1階完結の代償として、主寝室には南の光が入りません。寝る部屋と割り切れるかどうか。日中もここで作業する想定なら、東面の窓の取り方を相談しておきたいですね。
- 脱衣室が1.5帖:洗面所と分けている代わりに、脱衣室そのものは最小限です。洗濯機を置くと着替えるスペースはぎりぎり。お子さんの入浴を手伝う時期は少し窮屈かもしれません。
- 間口8.645m×奥行11.83m:縦に長い建物なので、敷地も奥行が必要です。駐車スペースを前面に取るなら、さらに奥行が要ります。敷地図の上で重ねて確認しておきましょう。
こんなご家族に向いています
- ご夫婦の生活を1階だけで完結させたい方
- お子さんが独立したあとの暮らしまで考えたい方
- 洗濯まわりを1か所にまとめたい方
- LDKの中に小さなこもり場所が欲しい方
- お子さんが2人のご家庭
まとめ|2階は、子どもがいる間だけの階でいい
2階建てを建てるとき、つい2階にも書斎や収納を配りたくなります。でも冷静に考えると、2階を使うのは子どもが家にいる十数年だけ、というご家庭は多いんですよね。
このプランはそこを最初から見越して、2階を子ども専用の階にしました。だから面積も最小限。そのぶん1階が充実して、主寝室8帖もファミリークローク4帖も無理なく入っています。
タイトルの「一生登ることのない階段」は、少し寂しく聞こえるかもしれません。でも裏を返せば、登らなくても困らない家をつくったということです。将来の暮らしから逆算する。それも一つの設計の始め方ですー。
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