生活空間にチラッと見える中庭ってしゃれてない?プラン

間取り紹介

概要

  • 延べ面積 :104.34㎡(31.56坪)
  • 部屋数  :3LDK
  • 玄関   :南入り
  • 間口(幅):9.1m
  • 奥行(縦):9.1m
  • 収納率  :9.99%

プランポイント

中庭というと、リビングの正面にどんと構えた大きなものを想像しますよね。でもこの間取りの中庭は小さくて、しかも主役の位置にいません。キッチンに立ったとき、廊下を歩くとき、ふと視線を上げたところに緑がある。その「チラッと見える」加減が、なかなか気が利いています。

ポイント①|中庭を、正面ではなく動線の途中に置く

中庭があるのは、水回りゾーンとキッチンのあいだ。LDKの真正面ではありません。

大きな中庭をリビングの正面に置くと、たしかに見応えはあります。ただそのぶん床面積を使いますし、常に目に入るので手入れを怠れなくなります。

この間取りは、日常的に何度も通る場所の途中に小さく差し込みました。料理をしながら、洗面所へ向かいながら、視界の端に緑が入る。意識して眺めるものではなく、ふとした瞬間に気づくもの。そういう置き方です。

面積の負担も少ないので、31坪台という現実的な規模でも成立します。

ポイント②|中庭が、家の真ん中に光を届ける

間口9.1m、奥行9.1m。ほぼ正方形の建物です。この形は外周に対して内部の割合が大きくなるので、真ん中が暗くなりやすい形でもあります。

中庭は、まさにその暗くなりがちな場所に開けられています。おかげでキッチン、廊下、脱衣室といった「窓を取りにくい場所」に光が入ります。

飾りとしての中庭ではなく、採光のための穴として機能している。だから位置がLDKの正面ではなく、家の中ほどなんですね。

ポイント③|ファミリークロークが2か所。用途で分ける

ファミリークロークが2つあります。北側に2帖、そして玄関ホールとLDKのあいだに3帖です。

北側の2帖は脱衣室の隣なので、洗濯物をしまう場所。玄関側の3帖は帰宅動線上にあるので、上着やカバンを置く場所。同じ「クローク」でも役割が違います。

収納は量だけでなく、使う場所の近くにあるかどうかで実際の使われ方が変わります。ひとつの大きな収納にまとめず、あえて2か所に分けたのはそのためですね。

ポイント④|主寝室は1階。LDK16.5帖には吹抜け

主寝室6帖が1階の北西にあります。LDK、水回り、寝室が1階に揃っているので、将来2階を使わなくなっても生活が成り立ちます。

LDKは16.5帖。その一部が吹抜けになっていて、2階の廊下とつながります。16.5帖は突出して広いわけではありませんが、縦に抜けているぶん体感の広さが補われる形ですね。

南東側にはウッドデッキ。掃き出し窓から続いていくので、天気のいい日はここまでが居場所になります。

ポイント⑤|9.1m角の正方形。無駄の出にくい形

建物の外周が9.1m×9.1m。正方形に近い形は、同じ床面積なら外壁の長さが最も短くなります。

外壁が少ないということは、材料費も、断熱の弱点も、将来のメンテナンス面積も減るということです。凹凸の多い建物と比べると、長い目で見たコスト差はけっこう出てきます。

中庭という「凹み」を作りながら、外形はシンプルに保つ。このバランスの取り方が、この間取りの巧いところかなと思います。

検討するなら、ここは確認を

  • 中庭の排水:小さい中庭ほど、排水口の詰まりが致命的になります。落ち葉が溜まったときに水があふれない設計になっているか、点検しやすい位置に排水があるか、必ず確認したいところです。
  • 中庭のメンテナンス動線:どこから中庭に出るのか、掃除道具をどう運ぶのかを確認しておいてください。出入りしにくい中庭は、数年で荒れます。
  • 収納率9.99%:やや控えめです。ファミクロが2か所ある一方で、2階の洋室にはクローゼットが見当たりません。お子さんの荷物が増える時期を見越して、造作や家具を前提にしておくと安心です。
  • 吹抜けの音と空調:LDKの音は2階へ、2階の物音は1階へ届きます。断熱性能とセットで検討したいところですね。
  • 2階が小さく、下屋が大きい形:屋根の形が複雑になるぶん、施工費とメンテナンス費が上がります。屋根の谷部分は雨仕舞いの要注意箇所なので、仕様を確認しておきたいところです。

こんなご家族に向いています

  • 中庭に憧れつつ、面積や予算に限りがある方
  • 正方形に近い、整形の敷地をお持ちの方
  • 家の中央が暗くなるのを避けたい方
  • 将来1階だけで暮らせる形にしておきたい方
  • 31坪台で3LDKを確保したい方

まとめ|中庭は、見るためではなく、通すために作る

中庭を検討されるとき、多くの方が「どう見えるか」から考えます。もちろんそれも大事なのですが、実際に住んでからの満足度を左右するのは、光と風を通す役割のほうだったりします。

この間取りの中庭は、家の真ん中の暗がりを解消するために置かれています。結果として、通りかかるたびに緑が目に入る。順番としては、機能が先で、景色が後からついてきた形です。

中庭を入れたいと思われたら、まず「どこが暗いか」を探してみてください。そこに開ければ、見た目も機能も両方満たせる中庭になりますよー。

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