

概要
- 延べ面積 :98.00㎡(29.64坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :東西入り
- 間口(幅):7.28m
- 奥行(縦):7.28m
- 収納率 :11.18%
プランポイント
7.28m×7.28m。1階も2階も、まったく同じ正方形。この間取りは、そういう潔い形をしています。延べ面積98.00㎡(29.64坪)の3LDK。凹凸をつくらず、四角い箱を2つ積んだだけ。それでいて中身は16.2帖のLDK、吹抜け、書斎、WICまで入っている。形を整えることが、そのまま暮らしやすさとコストの両方に効いてくる、そんなプランです。
ポイント①|完全な総二階が生む、3つの利点
1階と2階が同じ大きさの総二階には、はっきりした利点があります。
ひとつめは構造。上下の壁と柱がそのまま重なるので、力の伝わり方が素直になります。耐震性を確保しやすく、構造補強のための余計な部材も減ります。
ふたつめはコスト。屋根と基礎の面積が、延べ面積に対して最小になります。凹凸の多い家は外壁が増え、雨仕舞いの難しい箇所も増える。総二階はその両方を抑えられます。
みっつめは外観。4間×4間の正方形は、窓の位置さえ整えれば、それだけで安定して見えます。凝った形にしなくても格好がつくのは、この単純さのおかげですね。
ポイント②|16.2帖のLDKを、南の掃き出し窓に向ける
1階の南半分がLDK16.2帖です。東側にキッチンが縦に配置され、ダイニング、リビングと西へ広がります。
南面はほぼ全面が窓で、その外にウッドデッキ。デッキの脇にはシンボルツリーが植えられていて、リビングに座ったときの視線の先に緑が入るようになっています。
7.28m角という限られた平面でLDKに16.2帖を割いているので、1階は玄関・水回り・LDKでほぼ埋まります。個室をすべて2階に上げた判断が、この広さを生んでいますね。
ポイント③|洗面脱衣室3帖と浴室を、西側に。北にパントリー2帖
1階の西側に、洗面脱衣室3帖と浴室2帖。北東の角にはパントリー2帖があり、キッチンの背面につながります。
洗面脱衣室が3帖あるので、洗濯機と洗面台を置いてもまだ余裕があります。室内干しのバーも描かれていて、洗う・干すがこの1室で完結する形ですね。
パントリー2帖は、30坪の家としてはしっかりした大きさです。玄関ホールからも近い位置にあるので、買い物から帰ってそのまま入れられます。
ポイント④|階段を家の中央、北側に置く
階段は1階の北側中央、玄関ホールのすぐ奥です。
この位置がうまくて、2階から降りてきた人は必ずホールを通ります。玄関からも近いので、来客時に2階へ直行してもらうこともできる。かといってLDKを通らないと出入りできない形でもないので、家族それぞれの気分に合わせて使えます。
階段まわりにトイレを配置しているのも面積効率がよく、7.28m角という限られた平面から無駄をきっちり削っています。
ポイント⑤|2階に吹抜けを設けて、LDKと縦につなぐ
2階の中央南寄りが吹抜けです。1階LDKの真上が抜けていて、南の窓からの光が2階の廊下まで届く形になっています。
総二階は上下が同じ大きさなぶん、平面としては単調になりがちです。そこに吹抜けを一つ入れることで、縦の広がりと、家族の気配のつながりが生まれます。
吹抜けの周りを2階の廊下がぐるりと回るので、1階から2階へ声が届きます。子育て期には、この距離感がちょうどいいと言われることが多いですね。
ポイント⑥|2階に主寝室・洋室2つ・書斎2帖・WIC2帖
2階は、南東に主寝室6帖、南西に洋室5.3帖、北西に洋室4.5帖。そして北東に書斎2帖と、主寝室の隣にWIC2帖、さらにトイレ。
書斎2帖というのは小さいですが、机と本棚を置くには十分な広さです。北東の角という一番静かな場所にあり、しかも扉で閉じられる。在宅ワークの場所を家のどこかに確保したい、という要望に対して、これは効率のいい答え方だと思います。
主寝室6帖に対してWIC2帖が独立しているので、寝室の中に衣類があふれません。2階にトイレがあるのも、個室が3つある家では必須といっていい設備です。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率11.18%:この整った形の代償が出ているのがここですね。総二階は凹凸をつくらないぶん、階段下や下屋の裏といった「余った隙間」が生まれません。収納はパントリー2帖・WIC2帖・SC1帖と各室クローゼットのみ。ふとんや季節家電の置き場を、設計段階で名指しで確保しておきたいところです。
- 吹抜けのぶんは居室になりません:同じ坪数で部屋数を優先するなら、閉じる選択肢もあります。2階に4部屋目が欲しくなったとき、この吹抜けを床にできるかどうか、構造的な可否を先に聞いておくと後々の判断が楽です。
- 7.28m角の東西の窓:正方形の総二階は、東西の外壁が隣家と近くなりやすい形です。特に2階の洋室4.5帖と5.3帖は西面に窓を持つので、西日と隣家の視線の両方を確認しておきたいですね。
- 1階に個室がない:将来、階段の上り下りが負担になったときに、1階で寝られる部屋がありません。LDK16.2帖の一部を将来仕切れるようにしておくなど、逃げ道を用意できるか相談しておくと安心です。
- 書斎2帖の使い勝手:広さとしては机ひとつぶん。オンライン会議で背後に映る範囲や、換気、コンセントの位置まで詰めておくと、使われる書斎になります。
こんなご家族に向いています
- 建築費を抑えつつ、間取りの中身は妥協したくない方
- 耐震性能を重視される方
- 敷地が正方形に近く、大きな間口が取れない土地の方
- 在宅ワークのスペースを確保したい方
- お子さん2人までを想定されているご家族
まとめ|形を整えることは、我慢ではない
総二階と聞くと、面白みのない箱型の家を思い浮かべるかもしれません。でも実際には、凹凸を削ったぶんの予算と面積が、中身のほうに回ってきます。
このプランがまさにそれで、29.64坪という平均的な広さの中に、16.2帖のLDK、吹抜け、書斎、WIC、2階トイレまで入っています。外形をシンプルにしたからこそ、これだけの要素を無理なく積めているんですよね。
家の形をどうするかは、デザインの話であると同時に、予算配分の話でもあります。外にお金をかけるか、中身にかけるか。整った総二階は、その答えのひとつとしてかなり合理的な選択ですね。
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