

概要
- 延べ面積 :104.75㎡(31.68坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :北入り
- 間口(幅):8.645m
- 奥行(縦):10.01m
- 収納率 :11.25%
プランポイント
両隣に家が迫る細長い敷地では、横の窓からの光はあまり期待できません。窓を大きくしても、目の前は隣家の外壁ということが多いからです。この31.68坪の3LDKは、光の入口を横ではなく上に求めました。家のいちばん奥にあるダイニングが、いちばん明るい場所になっています。
ポイント①|間口8.645m。横からの光に頼らない前提
間口8.645m、奥行10.01m。北側の道路から入る、南北に長い敷地です。
両隣に家が建つと、東西の窓は隣家の壁と向き合います。南の窓も、隣家の影に入る時間が長くなりがちです。窓の数を増やしても、部屋の中まで光が届くとは限りません。
そこでこの間取りは、光を横から取ることを最初から当てにしていません。ここが、ほかのポイントすべての前提になっています。
ポイント②|ダイニングの真上に吹抜け。光は上から落ちてくる
LDK17.1帖のうち、アイランドキッチンとダイニングテーブルが並ぶ中央の列。その真上が2階まで吹き抜けています。
吹抜けの東側の壁には、2階の高さに窓があります。1階の窓より高い位置にあるぶん、隣家の影にかかりにくく、1階の窓では拾えない光が入ってきます。そこから落ちてきた光が、テーブルの上を照らす形です。
普通、家の中心は暗くなります。四方を部屋に囲まれ、どの窓からも遠いからです。この間取りはその中心を吹抜けにして、明るさの順番を逆にしました。玄関から入っていちばん奥の場所が、いちばん明るい。タイトルの「上から」はこのことですね。
ポイント③|アイランドキッチンを、光の下に置く
キッチンは西の壁沿いにコンロと作業台、その手前にシンクのあるアイランド。アイランドとダイニングテーブルを縦に並べています。
料理をする場所と食べる場所が、同じ吹抜けの下にある配置です。配膳も片付けも、振り返るだけで届きます。
キッチンの背面にはパントリーがあり、冷蔵庫をもう1台置ける場所まで取ってあります。まとめ買いをするご家庭には、この一角が効いてきますね。
ポイント④|南東のテラスへ、LDKから直接出られる
建物の南東の角をあえて凹ませて、テラスを取っています。リビングの南側の掃き出し窓から、そのまま外に出られる位置です。
建物の角をへこませたぶん、リビングの前には空の開けた場所ができます。吹抜けの光とあわせて、リビング側にも明るさを確保する組み方です。
テラスの先には芝のスペースもあります。お子さんを外で遊ばせながら、キッチンから様子が見える距離ですね。
ポイント⑤|1階だけで暮らしが回る「一階完結型」
1階の西側に、浴室2帖、脱衣室2.5帖、洗面所、トイレ、ファミリークローク3帖、主寝室6.5帖が縦に並びます。
洗う、干す、しまう、着替える、寝る。この全部が1階の西側だけで完結します。2階にバルコニーを設けていないのも、洗濯物を2階に運ばない前提だからです。
脱衣室の隣に洗面所を分けて置いているので、誰かが入浴中でも手洗いや歯磨きができます。主寝室とファミリークロークは隣どうしで、朝の着替えも寝室の横で済みます。
いまは子育ての家。お子さんが独立したあとは、夫婦で1階だけを使う家。階段を上がらない暮らしに切り替えられるのは、長く住むうえで大きいですね。
ポイント⑥|2階は子ども部屋と、みんなの場所
2階は洋室4.5帖が2部屋、その手前にユーティリティスペースがあります。吹抜けに面した場所です。
ユーティリティスペースは、宿題をしたり、本を読んだり、雨の日が続くときの予備の干し場にしたり。用途を決めていない分、家族の変化に合わせて使い方を変えられます。吹抜けに面しているので、1階のキッチンと声が届く距離でもあります。
ほかに書斎1.5帖、納戸1.5帖、トイレ。在宅で仕事をする日には、書斎の1.5帖が役に立ちます。
検討するなら、ここは確認を
- 吹抜けと音:ダイニングの真上が2階の子ども部屋の手前です。お子さんが寝たあとに1階で話す、テレビを見るといった場面は必ずあります。夜型のご家族がいる場合、音の行き来は現実的な問題になります。就寝時間から検証してみてください。
- 高窓の位置と隣家:吹抜けの窓から本当に光が入るかは、隣家の高さと距離で決まります。候補地が決まったら、隣家の屋根の高さと窓の位置を図面に重ねて確認しておきたいところです。
- 収納の量:収納率は11.25%。LDKに面積を寄せた分、しわ寄せが来ているのがここですね。リビングで使う細かなものの置き場は、造作か家具で先に決めておくと安心です。
- 洗濯物を干す場所:バルコニーが無いので、ふだん干すのは脱衣室の2.5帖です。4人分を毎日干しきれるか、湿気が抜けるか。換気扇や除湿機、乾燥機まで含めて、干し方を先に決めておきたいところです。
- テラスの素材:初期費用が安い素材ほど、後の手入れに手間がかかります。総額で比較しておきたいですね。
こんなご家族に向いています
- 両隣が近い、間口の狭い土地を検討されている方
- 日中も明るいダイニングで過ごしたい方
- 将来は1階だけで暮らせる家にしておきたい方
- 30坪前後で、3LDK+書斎を確保したい方
- 洗濯を1階で完結させたい共働きのご家庭
まとめ|窓の数より、光の入口の位置
暗い家を明るくしようとすると、つい窓を増やしたくなります。でも両隣が近い土地では、窓を増やしても隣家の壁が見えるだけということも多いんですよね。
この間取りは、窓を増やすのではなく、光の入口を上に移しました。そのうえで、いちばん長く過ごすダイニングをその真下に置いています。
光がどこから入り、どこに落ちるか。敷地の条件が厳しいときほど、ここから考えると間取りの組み方が変わってきますー。
こんな“間取り迷子”さん、ぜひご相談ください
- 提案されたプランに、どうもピンとこない
- 担当者と感覚が合わず、モヤモヤしている
- 「他の可能性」をプロの目線で知っておきたい
- SNSで集めた情報が多すぎて、整理できない
- 完成したあとの暮らしが、うまく想像できない
家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
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