
概要
- 延べ面積 :93.99㎡(28.43坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :北入り
- 間口(幅):12.285m
- 奥行(縦):9.1m
- 収納率 :14.2%
プランポイント
廊下は、家の中でいちばん働いていない場所かもしれません。通るだけで、何も置けず、それでも坪単価は同じだけかかる。この28.43坪の平屋は、その廊下を思い切ってなくしました。結果として動線が短くなり、LDKが19帖まで広がっています。削ったことが、そのまま得になった例ですね。
ポイント①|LDKを、廊下の代わりに使う
図面をよく見ると、この家に廊下と呼べる場所がありません。玄関ホールから南へ出ると、そこはもうLDK19帖です。
そして主寝室も、子ども部屋も、水回りも、すべてLDKから直接入ります。移動のたびにLDKを横切ることになる。これが廊下をなくすということの意味です。
一見せわしないように思えますが、28坪台の家では効きます。廊下1本ぶんの1.5〜2坪が、まるごとLDKに回るわけですから。
ポイント②|LDK19帖という、28坪台としての大きさ
延べ面積93.99㎡のうち、LDKが19帖。全体の7割近くです。
キッチンは中央付近に縦向き。西側にL字のソファ、その手前にダイニングテーブル。南面には掃き出し窓が横に並び、外はウッドデッキです。
この広さがあるからこそ、通り抜けても邪魔になりません。狭いLDKで同じことをすると、常に人とすれ違うことになる。廊下をなくす設計は、LDKが十分に広いことが前提なんですよね。
ポイント③|水回りを、玄関のすぐ隣に固める
北側の中ほどに、浴室2帖、脱衣室2帖、洗面所、トイレ。玄関ホールからすぐの位置です。
帰宅して数歩で手を洗える。しかもそのまま浴室にも行けます。外から持ち込むものを、玄関付近で止められる配置ですね。
キッチンの北にはパントリーがあり、そこから水回りへ抜けられます。料理と洗濯を行き来する道が、LDKの北側に確保されている形です。
ポイント④|個室を、家の東側にまとめる
北東に洋室4.6帖が2つ。南東に主寝室7.2帖とWIC3帖。個室が東側にまとまっています。
LDKが西から南、個室が東。人が集まる場所と、休む場所が分かれています。廊下がないぶん個室はLDKに面していますが、東西で区切られているので、生活音が直接ぶつかることはありません。
そして東側にはトイレがもう一つ。主寝室と子ども部屋の近くなので、夜中に玄関側まで歩かずに済みます。
ポイント⑤|WIC3帖を、主寝室と個室の境に置く
主寝室7.2帖の北に、WIC3帖。子ども部屋との境目にあたる位置です。
主寝室から直接入れる形なので、夫婦の衣類はここに。3帖あれば、季節ものも含めて収まります。
そしてこの収納が、主寝室と子ども部屋のあいだの壁を厚くしています。収納を間仕切りとして使うのは、音を和らげる手としても有効です。
ポイント⑥|玄関を北西の角に寄せる
玄関は北西。シューズクロークとホールを経て、南のLDKへ。
家の角に玄関を置いたことで、そこから対角線方向に生活空間が広がります。玄関からいちばん遠いのが南東の主寝室。これが自然な距離のとり方です。
ホールが小さくまとまっているのも、廊下をなくす方針と一貫しています。通るためだけの床を、徹底して削った間取りですね。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率14.2%:WIC3帖、パントリー、シューズクローク、各室のクローゼット。28坪台としては悪くない数字です。ただし衣類をまとめる場所がないので、乾いたものは各部屋へ運ぶことになります。北の脱衣室から東の個室までの距離を、一度測っておきたいですね。
- すべての部屋がLDK経由:子ども部屋も主寝室も、LDKを通らないと入れません。来客中に自室へ戻りづらい、思春期に人目が気になる、といった声が出る可能性はあります。ご家族の考え方次第の部分です。
- 音がLDKに集まる:廊下という緩衝がないぶん、テレビの音や話し声が個室に届きやすくなります。建具の遮音性は標準よりひとつ上を検討しておくと安心です。
- 家具の配置に制約が出る:LDKが通路を兼ねるので、人が通る道を空けておく必要があります。ソファやテーブルの位置は、動線を描いたうえで決めたいところ。
- 間口12.285mの敷地:東西に長い平屋です。両隣の離れと駐車スペースを足すと、それなりの幅が要ります。土地の寸法を先に確認しておきましょう。
こんなご家族に向いています
- 限られた坪数で、LDKを広く取りたい方
- 家族が自然と顔を合わせる家にしたい方
- お子さんがまだ小さいご家庭
- 帰宅してすぐ手を洗える動線が欲しい方
- 東西に長い敷地をお持ちの方
まとめ|削ることが、広げることになる
家を建てるとき、要望はどうしても足し算になります。あれも欲しい、これも欲しい。でも坪数には上限があるので、どこかで削らなければなりません。
そのときに真っ先に候補になるのが廊下です。何も置けず、通るだけの場所。ここを削ると、その面積がそのまま他の部屋に回ります。
ただし条件があって、削ったぶんの機能を他の場所が引き受けられること。このプランではLDKがそれを担っています。削るときは「その役目を誰が肩代わりするか」まで考えると、失敗しませんー。
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