
概要
- 延べ面積 :106.82㎡(32.31坪)
- 部屋数 :4LDK
- 玄関 :北入り
- 間口(幅):9.1m
- 奥行(縦):12.71m
- 収納率 :12.98%
プランポイント
「神動線」という言葉、よく聞くようになりました。ただ実際に図面を見ると、キッチンから洗面所が近いだけ、というものも少なくありません。この32.31坪の平屋がすごいのは、帰宅・入浴・洗濯・身支度という毎日必ずやることが、ひとつの輪の上にぜんぶ乗っていること。しかもその輪が、玄関からLDKまでの通り道を兼ねています。
ポイント①|玄関から水回りまでが、ぐるりと一周つながる
北側の玄関を入ると、西にシューズクローク2.2帖、その奥にファミリークローク3.2帖。そこから南へ抜けると脱衣室3帖、浴室2帖。さらに東へ折れると洗面所、トイレ、そしてホールに戻ってきます。
つまり玄関からぐるりと一周できる形なんですね。この輪の上に、靴を脱ぐ・荷物を置く・上着を脱ぐ・手を洗う・服を脱ぐ・お風呂に入る、が順番に並んでいます。
帰宅して、この輪をなぞるだけで用事が片付く。そして最後にホールからLDKへ入る。動線が行き止まりにならないので、家族が同時に動いてもぶつかりません。
ポイント②|ファミリークローク3.2帖を、輪の途中に置く
シューズクロークの奥、脱衣室の北側に3.2帖のファミリークローク。
位置が絶妙で、玄関からも脱衣室からも直接入れます。帰宅時は上着をここへ、入浴後は着替えをここから。そして洗濯物を干したあとも、ここにしまう。
通り抜けられる収納は、物置になりません。人が毎日通る場所は、自然と整理されていくんですよね。奥に押し込まれた納戸との一番の違いはそこです。
ポイント③|洗面所を独立させて、脱衣室3帖と分ける
中央に洗面所、その西に脱衣室3帖。洗面台と洗濯機を別の部屋に置いています。
この分け方の効果は朝と夜にはっきり出ます。誰かが入浴中でも、洗面台は使える。歯磨きや身支度が、お風呂に邪魔されません。
脱衣室が3帖あるのも余裕があって、洗濯機を置いて室内干しのバーを渡してもまだ動けます。洗って、干して、北隣のファミリークロークにしまう。ここも数歩で終わります。
ポイント④|LDK19.7帖と和室4.5帖を、南に開く
家の中央から南にかけて、LDK19.7帖。キッチンは西寄りに縦向きで、その東にダイニングテーブル、南にリビングという並びです。
LDKの東側には4.5帖の和室が引き戸でつながっています。開ければ24帖を超える一体空間、閉じれば客間や寝室。
南面にはウッドデッキが建物の幅いっぱいに広がり、シンボルツリーも植えられています。間口9.1m×奥行12.71mという縦長の平屋ですが、南に大きく開くことで、奥まで光が届く形になっています。
ポイント⑤|主寝室6.3帖を南西に、個室2つを東に
南西の角に主寝室6.3帖。デッキに面していて、朝の光が入ります。
一方、洋室5.2帖が2つは東側。北の1室は玄関ホールから、南の1室はLDK側から入る配置です。子ども部屋と主寝室が家の対角に分かれているので、生活時間がずれても互いに影響しません。
主寝室にもクローゼットが付いていますが、家族共用の衣類はファミリークロークへ。役割を分けているぶん、それぞれの部屋がすっきりします。
ポイント⑥|4LDKを32坪に収める
和室を含めて4LDK。32.31坪でこの部屋数は、なかなかの詰め込み方です。
成立している理由は、廊下がほとんどないこと。玄関ホールと洗面所が通路を兼ねていて、そこから各所へ直接分岐しています。通るためだけの面積が最小限なんですね。
そして水回りを西側にまとめ、個室を東側にまとめた。ゾーンをはっきり二つに分けたことで、部屋のあいだの無駄な隙間が生まれていません。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率12.98%:数字としては標準的ですが、注目したいのは配置のほうです。ファミリークローク3.2帖とシューズクローク2.2帖が、どちらも毎日通る輪の上にあります。使われる収納かどうかは、量より「通り道にあるか」で決まる部分が大きいので、この点は評価できます。ただ大物の置き場は別に考えておきたいところ。
- 回遊できるぶん、扉と壁が増える:輪をつくるには出入口が2か所ずつ必要になります。そのぶん壁が減り、収納や家具を置ける面も減ります。実際に2方向とも使うのか、帰宅パターンを想像してみてください。
- 奥行12.71mの縦長:北の玄関から南のリビングまで、まっすぐ歩いて12m以上あります。平屋としては長い部類なので、日々の動線を図面の上でなぞってみると実感がつかめます。
- 東側の個室の採光:洋室2つと和室が東に並びます。午前中は明るいですが、午後は光が回りにくくなります。隣家が近い場合は、窓の高さと位置を確認しておきたいですね。
- 建築面積が敷地に載るか:平屋で32坪、間口9.1m×奥行12.71m。駐車スペースを含めて、敷地図の上で先に検証しておくのが確実です。
こんなご家族に向いています
- 帰宅から入浴までの流れをスムーズにしたい方
- 家族の出発時間が近く、水回りが混み合うご家庭
- 洗濯を1か所でまとめたい方
- 和室を客間として使いたい方
- 平屋で4LDKを検討されているご家族
まとめ|動線がいいというのは、輪になっているということ
動線の良し悪しは、距離の短さだけでは決まりません。行った先で行き止まりになると、必ず戻ることになる。その往復が積み重なって、家事の時間になります。
このプランは、玄関から水回りまでを輪にしました。だから一方通行で用事が片付き、戻る必要がありません。しかも輪の上に収納が置かれているので、通るついでに片付いていく。
間取り図を見るときは、指で動線をなぞってみてください。同じ場所を二度通るなら、そこは改善の余地があるかもしれませんー。
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