

概要
- 延べ面積 :109.31㎡(33.07坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :北入り
- 間口(幅):9.1m
- 奥行(縦):10.01m
- 収納率 :10.16%
プランポイント
老後も安心、という言葉はよく使われます。ただ具体的に何が安心なのかは、あまり語られません。この間取りは、そこを寸法で答えています。脱衣室4帖、ウォークインクローゼット3帖、主寝室7.5帖。将来必要になる余白を、いまのうちに確保してあるプランです。
ポイント①|脱衣室に4帖。介助が必要になったときのための広さ
北西の脱衣室が4帖あります。洗濯機と洗面台を置いても、まだ人が2人立てる広さです。
これが「老後も安心」の中身のひとつです。年齢を重ねると、入浴に介助が必要になる場面が出てきます。そのとき脱衣室が2帖しかないと、介助する人が入れません。着替えを手伝う、椅子を置く、車椅子を回す。そういった動作には、床の余白が要ります。
いまは広い脱衣室として気持ちよく使えて、必要になったときには介助スペースになる。同じ4帖が、時期によって意味を変える設計ですね。
ポイント②|主寝室7.5帖とWIC3帖を、1階に
南西に主寝室7.5帖、その北隣にウォークインクローゼット3帖があります。
寝室が1階にあると、階段を使わない生活がそのまま成立します。しかもWICが隣接しているので、着替えのために移動する必要もありません。寝る、着替える、風呂に入る。この3つが1階の西側だけで完結します。
7.5帖という広さも効いていて、将来ベッドの配置を変えたくなったときや、介護ベッドを入れることになったときにも対応できます。
ポイント③|20帖のLDKは、その延長にある
LDKは20帖。玄関ホールから続いていて、東側にキッチンとパントリー、南にウッドデッキという構成です。
主寝室から出れば、そこはもうLDK。廊下を長く歩く必要がありません。移動距離が短いということは、それだけ転倒のリスクも減るということです。
高齢期の暮らしやすさは、設備よりも「歩く距離」で決まる部分が大きいんですよね。この間取りは1階の主要な場所が数歩ずつでつながっています。
ポイント④|2階は、使わなくなってもいい形にしておく
2階は洋室4.4帖と4.6帖、そしてトイレだけ。それ以外は何もありません。
子ども部屋として使う時期が終われば、2階は閉じてしまっても構わない構成です。掃除も冷暖房も1階だけで済みます。使わない部屋があること自体は無駄に見えますが、必要な時期にはちゃんと必要だったわけで、役目を終えたら静かに退場してもらえばいい。
浴室も洗面も主寝室も1階にあるので、2階を使わなくなっても暮らしは何ひとつ変わりません。
ポイント⑤|玄関から水回りへ、まっすぐ行ける
玄関は北側。上がってホールに出ると、西側に洗面所、脱衣室、浴室、トイレが並びます。
帰宅してLDKに入る前に手を洗える動線です。そして階段も玄関ホールのすぐ横にあるので、2階へ上がるのにLDKを横切りません。来客中でもお子さんが自分の部屋へ行きやすい形ですね。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率10.16%:やや控えめです。WIC3帖とシューズクロークが主力で、ファミリークロークがありません。長く住む前提の家ほどモノは増えるので、造作収納を足すか、2階の1室を納戸として使う前提にしておきたいところです。
- 2階が小さく、下屋が非常に大きい形:1階に対して2階がかなり小さいので、屋根の面積が大きくなります。施工費もメンテナンス費も、総二階と比べれば上がります。長期の維持費まで含めて見積もりを確認しておきたいですね。
- 老後を見据えるなら、寸法の詰めも:床の段差をなくす、廊下と扉の幅を車椅子が通る寸法にする、手すりを後から付けられるよう壁に下地を入れておく。間取りが良くても、この3つが抜けると効果が半減します。設計段階で必ず相談を。
- 洋室4.4帖・4.6帖:ベッドと机で埋まる広さです。お子さんが中高生になる時期を考えると、収納の取り方に工夫が要ります。
- 北入り玄関の明るさ:玄関とホールが北側なので、日中でも暗くなりがちです。玄関ドアの採光や、ホールへの光の回り方は確認しておきたいところ。
こんなご家族に向いています
- 建てた家に長く住み続けたい方
- 将来の介助や介護の可能性を、いまのうちに織り込んでおきたい方
- 主寝室を1階に置きたい方
- 洗面脱衣にゆとりがほしい方
- 33坪台で3LDKを確保したい方
まとめ|将来への備えは、設備より寸法
老後に備えると聞くと、手すりやバリアフリーの設備を思い浮かべます。でもそれらは、必要になってから付けられるものがほとんどです。
あとから変えられないのは、部屋の広さと位置です。脱衣室を2帖で建ててしまったら、あとから4帖にはできません。寝室を2階に置いたら、1階には下ろせません。
いま必要なものだけで組むと、そこが将来の制約になります。少しだけ余白を残しておく。この間取りがやっているのは、そういう地味だけれど効く備えかなと思いますー。
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