マイホームを計画する上で必要な要素の「建物」と「土地」
マイホームを計画する際、建物と土地の選び方について迷うことが多いでしょう。この記事では、土地と間取りの計画方法について解説します。
土地探しと間取りは別で考えている人がほとんど
土地探しから始める方はまず情報誌、不動産屋や検討中の住宅会社から情報を得ることが一般的です。
そして日当たりや立地、価格などの条件を重視しますが、建物の間取りは土地の形状に大きく依存します。土地選びで失敗しないためにも、建物の規模や間取りを考慮しながら土地を選ぶことが重要です。
建物の間取りは土地の形状に大きく関係してきます。
土地を決めてから間取りを検討し始めたが思っていた間取りが実現できない、要望を満たす家にするには土地が狭すぎたなどと後から気付いても遅い場合は多々あります。
そんな後悔を抱えてしまうことで一生に一度の買い物が台無しになりかねません。
土地に対してどれほどの規模建物ができるのか、どんな間取りが可能なのかが自身である程度分かればいいのですが、土地はさまざまな条件があり一般の方がそれそうの情報で得た知識で判断しようとしてもなかなか難しいのが現実です。
個別の土地に対しての判断はやはり経験豊富なプロの意見を取り入れるのが賢明です。
しかし身近にそのような方がいる方は良いですが、一般的に土地は住宅会社や不動産屋に相談するしかありません。
最初は親身になって答えてくれると思いますがただ向こうも商売ですので1人の方ばかりに時間を割けません。段々と適当な対応になり早期に契約を迫ってくるといったことも少なくないでしょう。
そのためにもその土地に対してどんな家が建てられるのかを自分自身である程度イメージでき、プロの意見を取り入れつつ判断できるような知識を身に付ける必要があるのです。
建物以外に何が必要なのかを考える
そう簡単に並行して考えろと言われてもではどうしろと?となりますよね。
まずは敷地内に建物以外何を置くのか、何の要素が必要になってくるのかを認識することから始まります。
基本的にどのようなものがあってということを認識し、そこから自分が必要な物を優先順位をつけて選択していくという考えを持つことが後悔を減らすポイントになります。
ただ単にSNSで見つけた情報を鵜呑みにして思い付きで欲しいと思ったものを付けるといったことのないようにしていきましょう。
必要項目チェックリスト
次にどのようなものがあるか例を挙げていきます。
庭スペース
ウッドデッキ、テラスの有無
室内と外とは段差があり、その段差を解消する上で必要なのがウッドデッキやテラスです。段差を解消し外とのつながりを設けることで気軽に外に出ることができるので近年では半数以上の方が設置を検討しています。
縁側のように気軽に外に出られるように程度であれば奥行き1mほどで十分です。外で椅子やテーブルを置けるようにとなると2m以上は欲しいですね。
室内との段差をなくすために高くなっている分、外から見るとステージのように上がっているので道路や隣家からの視線が気になる可能性もあります。その場合は目隠しフェンスや植栽でカバーするなどデッキ以外の費用も必要になりますので考慮しておきましょう。
洗濯物はどこに干したいのか
昔は外に干すのが当たり前でしたが共働き世帯が増え、防犯や花粉対策などから室内で干す方も増えてきました。
それでも外に干したいという方はどのように干したいのかというのも明確にしておくと良いでしょう。
外壁や天井に物干し金物をつけるのか、庭に物干し台を置いて干したいのか、布団も干せるスペースが欲しいのかなどが挙げられます。またこちらも視線対策が必要な場合もあります。
意外と見過ごしがちですが毎日のことなのでよく考えて計画していきましょう。
道路や隣地との見切りは必要か
どのような敷地でも隣地や道路に面しており境界線部分の見切りをどうするかは必ず考えなくてはなりません。
道路側であれば車の乗り入れ以外の部分、隣地側は基本的に全て必要です。
すでにお隣のブロックやフェンスがしてあればそれを利用させてもらうのもいいのですが注意は必要です。
関係性にもよりますが他人は他人ですので現状は問題なくても世代が変わったり住む人が変わることで状況が変わる可能性があります。
また高低差がある場合に隣地のブロックに土圧を掛けてしまうのは避けたいところです。
間取りには大きく影響するところではありませんが隣地との距離がシビアな場合にブロックやフェンスを設けることで以外と狭くなってしまったということはよく聞く話です。
また1mを超えるような高低差がある場合にはさらに注意が必要です。
擁壁が必要になる場合、地上ではわかりませんが地中の敷地内側に擁壁の底盤が入っており、高さや仕様によっては境界線近くまで建物を寄せることができない場合があります。
これは建築士など専門の方でないと判断できない部分なので対象の敷地の場合は専門家へ相談することをお勧めします。
高低差の解消方法
道路と敷地の高低差がある場合見落としがちなのが玄関までのアプローチや建物との高低差解消のためのスペースです。
道路と玄関まで高低差がある場合、高ければ高いほど階段やスロープのスペースを確保する必要があります。
また建物との高さの解消を土留め壁でするのか建物の基礎を深く高くするのかで必要スペースや土地の使い方が変わってきます。
この点に関しても高低差を測る必要がありますので専門家に確認する必要があります。
とにかく高低差のある敷地は建物以外にスペースが必要だということは覚えておきましょう。
駐車スペース
建物以外で大きく面積が必要になる駐車スペース
敷地形状と駐車台数だけでもどういった建物配置になるかがほぼほぼ決まってきます。
ここは初期の段階で決めておいた方が後々計画変更になる可能性も抑えられるので意識することをおススメします。
何台分必要か
まず重要になってくるのが台数
車種によってサイズは色々ですがまずは現在所有している車のサイズ、台数がいくつなのか、そして来客用を設けるのか、将来子供が所有した場合のスペースを確保するのかを考えましょう。
やはり台数が多くなれば多くなるほど敷地に占める割合が多くなるのでここは慎重に考えてください。
交通量の多い道路であれば予備で最低限の来客用スペースを確保したいですよね。
将来の子供用スペースが必要と思っていても子供が大人になる頃には車の所有方法も変わってくるだろうし必要なくなるかもしれません。
このようなことを想定しながら最適解を見つけてください。
必要台数が決まったら次はその必要スペースを考えていきましょう。
下記が一般的に使われる寸法です。
- 普通車 :幅180cm×480cm
- 軽自動車:幅150cm×350cm
※外車など大型車はさらに大きくなりサイズも色々なので個別で確認をお願いしますm(_ _)m
また乗り降りするのに必要な車間寸法も考慮する必要があります。
こちらは一般的には60cmを確保すれば良いでしょう。
【例】普通車2台、軽自動車1台 並列駐車の場合
60cm + 180cm + 60cm + 180cm + 60cm + 150cm + 60cm = 750cm
7.5mの幅が必要ということがわかります。
このような方法で駐車のスペースでどの程度必要なのか、本当に必要なのか、建物や庭の大きさとどちらを優先するのかを検討していきましょう。
並列か縦列でも良いか
道路と平行に並列で並べる方が駐車はしやすいですよね。
ただ敷地形状により道路に面している間口寸法が必要寸法に満たしていないことは往々にあります。満たしていない方が多いかもしれません。
そこで検討したいのが縦列駐車です。
縦列駐車は間口が狭い敷地に多く採用されますがデメリットとして先に停めた車が後から停めた車を動かさないと出られないというところです。
お互い毎日出入りする場合、考えて駐車しないといけないので毎日がストレスになってしまいます。
できれば縦列を採用する場合は駐車頻度が少なく予備用の際に検討というようにしましょう。
カーポートは必要か
カーポートは車を雨や飛来物から守り、雨の際の乗り降りも便利で付けられるのであれば付けたい物の一つですよね。
カーポートは台数や柱の本数、駐車方法によって異なりますので選定方法は大手建材メーカーの「三協アルミ」さんのページを参考にしてみてください。
https://alumi.st-grp.co.jp/products/select/carport/point01/
ガレージは必要か
部屋として作業もできるので駐車用だけでなく最近では趣味部屋やちょっとした離れ空間として使用する方も増えてきております。
こちらも大きさや用途により様々な商品がありますのでガレージの選定方法をわかりやすく解説されていましたのでこちらのページを参考にしてみてください。
https://life-land.biz/garage/garage-recommendation/
収納スペース
物置の大きさ
割と設置の要望が多い外部物置
イナバやヨドコウといったメーカーが有名ですよね。
収納用だけでなくバイクや自転車、もちろん車も停められたり様々なサイズの物置があります。
何を入れたいのかでサイズも変わってきますので、ある程度事前に決めておくといいでしょう。
あとは基本的に物置だとしても建築物となるため基本的に建物と同じで確認申請が必要になります。
別途費用が掛かるのと建物と同時進行で申請を進める必要があるのでサイズや仕様を申請時に確定させなくてはなりません。外回りの工事のため詳細決めは割と後回しに考えている方がいると思いますが注意してください。
条件によっては不要となる場合もありますので専門家に確認してみてください。
建物に付随するもの
給湯器
ガスの給湯器であれば特に場所をとらないので想定はしなくても問題ありませんが、エコキュートはタンク(70cm角)とヒートポンプ(エアコンの室外機程度)と場所を取ります。そのほかにもガスで電気とお湯を作ることができるエネファームはさらにスペースが必要となりますので注意が必要です。
場所としては風呂や洗面といった水回りの付近に設置することが効率的のため普段は使わない北側や東西の通路に設置することが多いです。通路に設置する場合は通り抜けができなくなる可能性がありますのでそれを想定して配置を決めましょう。
プロパンガスボンベ
都市ガスが供給されていない敷地でガス床暖やガス乾燥機などを利用したい方はプロパンガスという選択になってきますが、そのために必要になるガスボンベを置くスペースです。
ボンベは基本的に供給会社さんがボンベを搬入するので搬入経路を確保した位置に設置する必要があります。
火器の近くや直射日光の常時当たるところなどは不可など設置基準に様々な制約がありますのでガスの計画で詳細を確認したい方は近くのプロパンガス会社さんへ問い合わせてみてください。
浄化槽
下水道でない場合に必要な浄化槽
建物規模にもよりますが1m×1.5mは最低でもスペースが必要です。
匂いもしますので玄関やLDK付近には設けたくありません。建物横など隙間に設ける場合は建物の荷重が架かるので強固にする必要があったり、駐車場に設置する場合はしっかりと耐荷重を考慮する必要があるので高額になります。
雑排水、雨水配管
蓄電池
近年太陽光発電の普及や災害対策の観点から設置をされる方が増えてきました。
小型のものは室内に設置できるものもありますが、自給自足できるほど容量の大きいものは外部出ないと設置できないのがほとんどです。
こちらもメーカーによってサイズは異なりますがエアコンの室外機を一回り大きくしたくらいで考えておけばいいのかと思います。
詳細は各メーカーのHPにて確認ください。
エアコン室外機
部屋の数だけ必要になってくるため以外とトータルでスペースが必要になります。
目立たない場所に設ける場合は建物と隣地境界の隙間に設置すると思います。
通路として利用する場合は建物と隣地までは1mくらい確保しておきましょう。
どんな間取りができるのか
建物以外に必要なものとそれに必要なスペースがわかると残りを建物に使えば良いので、その土地に対して建築できる規模感がわかってきます。
そうすることで配置できる最大間口、奥行きの中で気になる間取りを当てはめて自分の希望するものが実現可能なのかがある程度明確になり、土地を購入してからこんなはずではなかったと後悔することも少なくなります。
まとめ
一生に一度の買い物と言われているマイホーム。
それが後悔でできてしまうとその後の人生も多少ながら変化してしまいます。
色々と求めるものもあるなかで全てを実現できる方はごく稀です。
実現できる方は自分の価値観やフィーリングが合った担当に巡り合っているということもありますが、そんな担当者がすぐに見つかる可能性は高くないですし、一生に一度の買い物をそれに賭けるのも違うと思います。
手に取って確認できる商品でないからこそ、ある程度の知識を持ち担当やSNSの情報を100%鵜呑みにせず自分自身で判断できるようにすることも重要です。
知識をつけて自分に合った選択を行い後悔を減らすことで夢のマイホームを現実のものにしていきましょう。
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