

概要
- 延べ面積 :107.44㎡(32.50坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :東西入り
- 間口(幅):10.92m
- 奥行(縦):5.46m
- 収納率 :11.94%
プランポイント
奥行がたった5.46m。3間しかない、かなり浅い建物です。ふつうなら「使いにくそう」と思われる形なんですが、この間取りはその制約を逆手に取っています。奥行が浅いということは、どの部屋も外壁に面するということ。結果として、家じゅうが明るくて、動線がぜんぶLDKに集まる家になりました。
ポイント①|奥行5.46mだから、暗い部屋が生まれない
間口10.92m、奥行5.46m。真上から見ると、細長い長方形です。
奥行が深い家だと、どうしても建物の真ん中に窓のない部屋ができます。廊下や納戸ならいいのですが、居室がそこに入ると日中でも照明が要る部屋になってしまうんですよね。
この間取りは奥行が3間しかないので、すべての部屋が南か北のどちらかに面します。構造的に「暗い部屋」が作れない形です。制約から入っているのに、結果として採光の条件は良くなっている。こういう逆転はけっこう起きます。
ポイント②|LDK18.2帖が、文字どおり家の中心
1階は西から順に、玄関、ホール、LDK、水回りという並びです。LDKが真ん中にあって、その両側に用事のある場所が配置されています。
帰ってきたらLDKを通って洗面所へ。キッチンから振り返ればダイニングとリビング。2階へ上がる階段もLDKに面しています。移動のたびに必ずLDKを通るので、家族が顔を合わせる回数が自然と増える作りですね。
「リビング階段にしたい」というご要望はよく聞きますが、この間取りはもう一歩進めて、動線そのものをLDK経由に集約しています。
ポイント③|キッチンと冷蔵庫とパントリーを、北側の壁一列に
キッチンは北側の壁に沿った配置。その延長に冷蔵庫が置かれ、さらに西端にパントリー1.5帖があります。
北側に「作る・しまう」をまとめたことで、南を向いたときの視界に生活感のあるものが入りません。ダイニングテーブルもソファも南向き。座ったときに目に入るのは、南の窓と庭だけという状態になります。
キッチンを対面にすると存在感が出ますが、壁付けにして北にまとめるとLDKがすっきりします。18.2帖を広く見せているのは、この判断が効いているからかなと思います。
ポイント④|東側に水回りをひとまとめ。洗面所とファミクロが隣り合う
東側に洗面所、脱衣室2帖、浴室2帖、そしてファミリークロークが集まっています。
洗面と脱衣が分かれているので、誰かが入浴中でも身支度ができます。そして脱衣室のすぐ隣がファミリークローク。洗って、脱いで、着替えて、しまうが、この一角だけで完結する形ですね。
洗濯機は脱衣室の中。動く距離としてはかなり短くまとまっています。
ポイント⑤|2階は吹抜けでつながる。書斎2.5帖とWIC4帖も確保
2階は主寝室6帖、洋室4.4帖と4.6帖、そして書斎2.5帖。東側にウォークインクローゼット4帖があります。
中央には吹抜け。1階のLDKと縦につながっているので、2階にいても下の気配が伝わります。奥行の浅い建物は横に長くなりがちですが、吹抜けが真ん中にあることで、平面的な長さが気になりにくくなる効果もありますね。
WICが4帖と大きめなので、主寝室6帖でも収納に困りません。
検討するなら、ここは確認を
- 敷地の間口:奥行5.46mで延床32.5坪を取るには、間口10.92m(6間)が必要です。駐車スペースも考えると、それなりに間口の広い敷地が前提になります。ここが合わないと成立しない形なので、まず敷地の寸法から確認したいところです。
- すべての動線がLDKを通ること:家族が顔を合わせやすい反面、来客中に2階へ上がったりお風呂へ行ったりするのが気まずくなる場面はあります。頻繁にお客様が来るご家庭では、この点をどう考えるかですね。
- 吹抜けの音と空調:1階のテレビの音や話し声は2階に届きます。逆も同じです。断熱性能をしっかり確保したうえで採用したい要素かなと思います。
- 洋室4.4帖・4.6帖:ベッドと机で埋まるサイズです。収納を造作で壁面に納めるなど、床を空ける工夫が要ります。
- 横長の外観:間口が広く奥行が浅い建物は、正面から見たときに平坦な印象になりがちです。軒の出や外壁の張り分けで、立面に変化をつけたいところです。
こんなご家族に向いています
- 間口の広い、奥行の浅い敷地をお持ちの方
- 家じゅうを明るくしたい方
- 家族が顔を合わせる機会を増やしたい方
- LDKをすっきり見せたい方
- 32坪台で3LDK+書斎まで確保したい方
まとめ|敷地の制約は、そのまま設計の答えになることがある
奥行が浅い敷地と聞くと、まず「狭い」「使いにくい」と考えてしまいますよね。でも実際に描いてみると、暗い部屋が作れない、動線が一本にまとまる、といった良さが出てきます。
大事なのは、制約を打ち消そうとしないことかなと思います。無理に奥行を使おうとせず、浅いまま素直に横へ並べたからこそ、この明るさと動線が生まれています。
いま敷地の形で悩まれているなら、「この形だから何ができるか」という順番で考えてみてください。避けようとしていた条件が、そのまま強みになることがありますよー。
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