

概要
- 延べ面積 :101.02㎡(30.55坪)
- 部屋数 :3LDK
- 玄関 :東西入り
- 間口(幅):13.65m
- 奥行(縦):9.1m
- 収納率 :10.83%
プランポイント
2階建てなのに、2階を使わなくても暮らせる。この間取りはそういう考え方でつくられています。30.55坪、3LDK。1階にLDK・主寝室・水回り・ファミリークロークがすべて収まっていて、2階にあるのは子ども部屋2つとトイレだけ。しかもL型に折れた建物の内側にデッキの中庭を抱えていて、1階だけで生活が完結しながら、外まで気持ちよく使えるようになっています。
ポイント①|L型に折って、内側に中庭をつくる
間口13.65m×奥行9.1mの敷地に対して、建物はまっすぐな長方形ではなくL型です。北側にLDKと水回りの列、南西側に主寝室とファミリークロークの列。この2辺が抱え込む形で、東南に開いた中庭のデッキがあります。
L型にすると外壁が増えるぶん、コストは四角い家より上がります。それでもこの形を選ぶ理由は、外部を「庭」ではなく「部屋のような場所」にできるからなんですよね。二方向から囲われていると、視線が抜けすぎず、落ち着いて座っていられます。
デッキの真ん中に植えられたシンボルツリーも効いていて、LDKからも主寝室からも同じ木が見える。家の中のどこにいても、同じ景色を共有している感覚があります。
ポイント②|17.4帖のLDKを、北側に横一列で
LDKは17.4帖。建物の北側を東西に長く使っています。西端にキッチン、その手前がダイニング、東側がリビングという並びです。
キッチンの背後には2.2帖のパントリーがあり、そこを抜けると洗面所・脱衣室・浴室へつながります。料理をしながら洗濯機を回しに行く、という動きが数歩で済む配置ですね。
そしてリビングの南側は、中庭のデッキに向かって大きく開いています。北側に置かれたLDKでも暗くならないのは、南の中庭から光を取り込んでいるからです。
ポイント③|主寝室6帖とファミリークローク4帖を1階の南西に
南西の翼には、主寝室6帖と、それに隣接するファミリークローク4帖。1階完結型の核になる部分です。
ファミリークロークが4帖というのは、この規模の家ではかなり大きめです。位置も洗面所のすぐ南側にあたるため、洗って・干して・しまうがワンフロアで回ります。
主寝室が1階にあることの意味は、年齢を重ねてから効いてきます。階段を使わずに、寝る・食べる・入浴する・洗濯するがすべてできる。2階建てでありながら、平屋と同じ暮らし方ができる形になっています。
ポイント④|玄関からLDKまでを、まっすぐ見せない
東側の玄関を入ると、まずホールがあります。ここで一度視線が切れて、そこからLDKへ入る形です。SC(シューズクローク)1帖も玄関脇に確保されています。
玄関を開けた瞬間にリビングが丸見えになる間取りは、来客のたびに気を遣うんですよね。この間取りはホールを一つ挟むことで、玄関とLDKの間にワンクッション置いています。
しかも階段は玄関ホールからではなく、家の中ほど、洗面所の近くに配置されています。2階の子どもたちが降りてきたときに、必ず1階の生活空間を通る。顔を合わせる回数が自然に増える置き方です。
ポイント⑤|2階は5.2帖が2つとトイレだけ
2階にあるのは、洋室5.2帖が2つと、ホール、トイレ。それだけです。
「2階はオマケ」というのは、機能を削ったという意味ではなく、役割をひとつに絞ったということですね。子どもたちが自分の部屋として使う期間はせいぜい15年程度。その後は空くことが分かっているなら、そこに水回りや収納を分散させないほうが、家全体としては無駄が出ません。
2階にトイレだけは残してあるのが現実的で、夜間や朝の混雑を考えると、これは残しておいて正解だと思います。
検討するなら、ここは確認を
- 収納率10.83%:1階の主寝室・ファミリークローク・パントリーに面積を寄せた分、しわ寄せが来ているのがここですね。特に2階は5.2帖の部屋にクローゼットが付いているだけなので、子どもの荷物が増える時期は手狭になります。1階のファミリークローク4帖をどう分担させるか、決めておきたいところです。
- L型による外壁の増加:同じ延べ面積の総二階と比べると、外壁面積も基礎の長さも増えます。建築費で数十万円から百万円単位の差が出ることもあるので、中庭の価値と天秤にかけて判断したいですね。
- 中庭の排水と落ち葉:二方向を建物に囲われた場所は、雨水も落ち葉もたまりやすくなります。デッキ下の水はけと、掃除のしやすさは設計段階で確認を。シンボルツリーの落葉樹・常緑樹の選び方でも手間が変わります。
- 北側LDKの冬の寒さ:中庭からの採光があるとはいえ、LDKの北面は外気に接する壁が長くなります。断熱等級と窓の仕様は、標準よりひとつ上を検討しておくと安心です。
- 間口13.65mが必要:L型を成立させるには、それなりに広い間口が要ります。奥行9.1mと合わせると、40坪台後半以上の敷地が現実的なラインです。
こんなご家族に向いています
- 将来を見据えて、1階だけで生活が完結する家にしたい方
- 外にいる時間を大切にしたい、でも通りからの視線は避けたい方
- お子さんが独立したあとの使い方まで含めて考えたい方
- 洗濯を1か所でまとめたい方
- 2階建てにするけれど、階段を毎日は使いたくない方
まとめ|2階に期待しない、という設計判断
家を建てるとき、つい2階にも収納や書斎を配りたくなります。でもこの間取りは、その誘惑をきっぱり断って、2階を子ども部屋専用に割り切りました。
その結果として1階が充実し、主寝室もファミリークロークも大きく取れています。将来2階が空き部屋になっても、暮らしは何も変わらない。これは30坪台の2階建てとしては、かなり賢い割り切り方だと思います。
そしてL型が抱える中庭が、この家に「もう一部屋分」の広がりを与えています。床面積では測れない部分ですが、住んでからの満足度はこういうところに出るんですよね。2階に何を置くか迷っている方は、いっそ置かないという選択肢も考えてみてくださいー。
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家づくりは、限られた期間のなかで、土地のことも住宅ローンのことも同時に決めていかなければなりません。仕事や子育てのあいまに、ご家族の意見をまとめながら、というのは本当に大変です。しかも敷地条件や住む人が違えば、同じ答えは一つとしてありません。正解のないものを一人の担当者だけと決めていくのは、やはりリスクがあります。
複数の設計士の目を通すこと、いわばセカンドオピニオンを受けることで、そのリスクはぐっと減らせます。今のプランのどこが引っかかっているのか、それを言葉にするお手伝いから始めましょう。
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